第9話 Aランク昇格
夕べは夜遅く戻ったので魔法の鍛錬をしてすぐに就寝した
今日も天気は良いのだが少し肌寒い、冬が近づいてきている様だ
食堂で朝飯を食ってからギルドに向かう、Aランクに上げてもらう事になっているからだ
今日は依頼は受けない予定だが装備は付けている、銀剣のルーキーセットだ、後で返しに行こうと思い装備してきた
ギルドに着いてカウンターで声をかけると「なんだ君は?」って顔で睨まれてしまった、装備がいつもと違うのでルーキーの兄ちゃんだと思ったらしい
「ヴィットマンだがギルマスに会いたい」
と告げると、慌てて裏に走って行った
まあ新人の顔を全員覚えていないよな、とは思ったがそんなに分からないものだろうか?
お姉さんはすぐに戻って来て裏に通された、相変わらずギルマスは元気だった
「約束通りAランクに上げてやるから手続きしろ、今回は盗賊の討伐報酬は出ないが奴隷に落とした二人分の代金が貰えるのでカウンターに言って名乗れ」
と言われて一旦解放された
かなり忙しいらしく午後にでももう一度来てくれと言われて追い出されてしまったので銀剣のクランハウスに向かう、装備を付けたまま中に入ってまとめ役のお姉さんに声を掛けたらすぐに裏に通してもらえた
(優秀だな)
ノックして事務所に入ると「昨日はありがとう、何か色々大変だったな」と労われてしまった
「同行した3人は凄く喜んでいたぞ、採取の仕方以外も色々教えて貰って、パンも貰えて最高だったって言ってた、またやって貰えないか?」
と言って来たので
「ごめんなさい、今回限りで勘弁してください」
と返しておいた、その後に装着してきた装備を返して
「クランのメンバーを3人も貸してくれてありがとう、おかげで人狩りしている奴らを討伐できたよ、マルシア、シャルト、ヒルダに宜しく伝えておいてくれ」
とお礼を述べて帰ろうとしたら
カイトから
「やっぱりうちに来ないか?それなりの地位を用意できるぞ」
と勧誘されたので
「俺はわがままだからクランではやって行けないと思うので、ごめんなさい」
と返しておいた
今日は頼んでおいた兜が出来上がっているはずなのでいつもの武器屋に向かった
店に入ると親父(ドルジという名前らしい)が出てきて裏から兜を持ってきてくれた、金貨10枚の逸品は白銀に輝いていた・・騎士でもこんなに光り輝く兜かぶらねえわ!
サイズも良いし打撃無効の付与も問題なくできたらしいが目立ち過ぎる、って言うかどんな鎧を着ても兜だけ浮く、親父も良い出来に満足してそこは全く考えていなかった様だ
という事でワイバーンの飛膜でカバーを作って貰う事にした、ついでに確認したら外套も作れるとの事なので一緒に注文して取っておいたワイバーンの飛膜をあるだけ渡して加工賃を金貨3枚支払った、兜は採寸のため置いて帰った、1週間ぐらいで出来ると思うが暇な時に顔を出せと言われてから店を出た
次は道具屋に向かった、昨晩使った明かりの魔道具が凄く明るかったので購入する事にしたのだ
道具屋に入り明かりの魔道具を物色しているとデカい天幕が投げ売りされていた、20人は寝れるサイズだが持ち運びが不便で長く売れ残っていたら布が少し傷んで来たので処分する事にしたらしい、捨てるよりはマシって事で銀貨5枚で良いと売り込んで来た、必要ないので断るつもりで
「銀貨1枚なら買ってやる」
と、思いっきり値切ったら、それでいいと押し付けられてしまった
明かりの魔道具を買いに来たのに戦場で使う様な天幕を買ってしまった、夜の運動のための明かりも金貨5枚の結構いいやつを購入した、邪魔な天幕も処分出来て高額商品も売れて道具屋の旦那はホクホクしていた、持ち運びはアイテムボックスに入れれば良いので問題にはならないが、野営するのにこの天幕でポツンと一人って寂しくない?とか思いながら服屋に向かった、寒い時期用の服を買おうと思ったからだ
服屋に行ってこの前目星を付けていた服を探した、薄い緑色で地味だが生地が厚くて膝、肘、尻の部分に布が当ててあり丈夫そうだ、サイズも良さそうなので大銀貨5枚で購入した少し高いが長く使えば元は取れそうである、ついでに防寒用の帽子も色を合わせて購入した、昔のパイロットみたいなデザインで、何かの毛皮で出来ているらしく帽子にしては高級な大銀貨1枚であった
飯を食ったり色々と散財してからギルドに向かった
ギルドに入るとちょうど空いている時間帯だったので並ばずにカウンターで声をかけて名乗った
Aランクの登録手続きをしてもらい、奴隷の代金を受け取った、2人分で大銀貨一枚って・・
盗賊の討伐は生死不問であるが町の中とか周辺以外では殺して首を持って帰るのが基本である、移動手段に乏しい世界なので生かして連れて来るのが大変なのだ、縛り上げて引きずって来るのも重労働だし、歩かせて連れ帰ろうとすると逃亡したり隙をみて反撃されたりするので全く労力に見合わないのである、隷属の魔法が使える奴を連れて行って現地で奴隷にすれば良いのだが、使える奴が少なくほとんどが奴隷商人になっているので危険な現場に来る事は無い、騎士団が大規模な拠点を潰しに行く時は同行する事もある様だがそんな事は滅多に無い、盗賊も必死なので拠点を見つけられない様に頭を使っているし奴隷商人を襲う様な事も無いが、盗賊は基本頭が悪いので数年に一度ぐらいは奴隷大量入荷イベントが発生するらしい
Aランクカードを作ってもらっているとギルマスからお呼びがかかった、裏に呼ばれて今後の話しをした
ギルマスは数日中に王都に出発するらしい、先日のワイバーン討伐を王様に報告する為に馬に乗って単独で向かって雪が積もる前に帰って来るつもりらしい、盗賊に襲われたら危なくないか聞いたら
「返り討ちで小遣い稼ぎだ」
と豪快に笑っていた
「俺も王都に行きたいのだが」
と相談したら領外から来る商人はすでに護衛を雇っているので護衛依頼は発生しないし、領内の商人も関税が高すぎるのでほとんど領内での商売になるだろうとの話しだった
外に行くにしてもクランに依頼を出すだろうから商隊に付いて王都に行くのは難しい様だ
他に移る話しをしたら愚痴を言われた
「冒険者は誰でも簡単になれる、カウンターで登録するだけでなれる、世間一般の認識もそうだ
だから成人すると家業を持たない連中がとりあえず冒険者になるが、ほとんど死ぬか盗賊落ちする
簡単な職業だと甘い考えの奴は生き残る事ができない、俺が言うのも変だが冒険者になるぐらいなら努力して他の職業に就く方が遥かに楽だ、運が良ければDクラスまでは上がれるがそこで頭打ちになって大体は盗賊落ちだ、昨日の連中もそうだ
Cクラスに上がるには技術を磨き、死ぬギリギリの無理をして生き残る運と実力が無いとなる事ができない、お前は短期間で実質最高位のAランクになった、これ以上は伝説級の活躍をしないと成れないが俺の「こいつすぐ死ぬわ」って予想を覆したので案外Sクラスになれるかもしれないな
何が言いたいかと言うとお前はこの町を出ろ、ここは始まりの場所で既にお前には相応しく無い、外に出てお前に相応しい活躍をしろ」
と激励?されてしまった
どうするか悩んでいたがギルマスの後押しで覚悟が決まった、準備出来次第出発する事にした
道具屋に蜻蛉返りして、煮炊きの道具とか野営に必要な物を買い足しておいた
その後、町中をぶらついて屋台で保存がききそうな食材や調味料を買い漁った
早めに宿に戻って魔法の鍛錬をしたり休んだりして時間を潰してから晩飯を食いにいった
ユーイリンもナッシュも人気が出たのか早々に売れてしまったので別な娘を連れて部屋に戻った
もちろん明かりの魔道具は試して見ました、奥まではっきり見えて夜の運動が捗りました。
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