概要
「初日に手ぇ汚すやつ、初めて見た」工具で直した数だけ、好かれてく。
藤堂巧が転校した先は、全校生徒四人の分校だった。
在籍が五人を切れば翌年度から募集停止──事実上の廃校。俺が来てちょうど五人。のはずが、生徒の一人が家の事情で、来月ふもとへ移るという。
数合わせにもなれなかった転校初日、俺にできたのは、校舎裏で止まっていた給水ポンプを直すことだけだった。
それだけの、はずだった。
「初日に手ぇ汚すやつ、初めて見た。あんた、すごいっしょ」
「わたし、あなたしかいないと思ってます」
「ボク、藤堂さんの前だけ、声が出る」
冷蔵庫を直せば食堂の看板娘が残り、ラジカセを直せば一年間声の出なかった後輩がしゃべり、気づけば教室の全員と先生までが、俺の隣の椅子を取り合っている。
……なんで全員、俺の隣なんだ!?
廃校まで、あと一年。壊れた物を
在籍が五人を切れば翌年度から募集停止──事実上の廃校。俺が来てちょうど五人。のはずが、生徒の一人が家の事情で、来月ふもとへ移るという。
数合わせにもなれなかった転校初日、俺にできたのは、校舎裏で止まっていた給水ポンプを直すことだけだった。
それだけの、はずだった。
「初日に手ぇ汚すやつ、初めて見た。あんた、すごいっしょ」
「わたし、あなたしかいないと思ってます」
「ボク、藤堂さんの前だけ、声が出る」
冷蔵庫を直せば食堂の看板娘が残り、ラジカセを直せば一年間声の出なかった後輩がしゃべり、気づけば教室の全員と先生までが、俺の隣の椅子を取り合っている。
……なんで全員、俺の隣なんだ!?
廃校まで、あと一年。壊れた物を
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