概要
『好き』を諦めた僕に、始祖鳥が教えてくれたこと。
研究の道を挫折し、昼夜逆転の生活を送る元大学院生・相馬康平のもとに、ある夜、段ボール箱を抱えた老人が訪れる。中にいたのは、霧のタイムトンネルで現代に出現した傷ついた始祖鳥の雛だった。「保護推奨古生物」に指定されたその雛——ジーキ——を託された康平は、六畳一間のアパートでの飼育を決意する。壁面遊具を自作し、滑空訓練を重ね、カラスの襲撃を乗り越えながら、彼は少しずつ飼育者として成長していく。アヌログナトゥスのプテ太、眠る恐竜メイのまどろみ——古生物たちは一匹、また一匹と増え、部屋は三匹との共同生活の場となった。隣人で動物病院看護師の詩織、後援業者「がらくた堂」の爺さん、同じく古生物を愛する仲間たちとの出会いが、閉ざされていた康平の世界を静かに広げていく。研究の道を逃げ出した自分を恥じてきた青年が
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