壮大な世界と神々の試練に心を惹かれながら、最も胸に残ったのは、強くあろうとする者たちの弱さを誰も否定しない優しさでした。
恐れていても前へ進もうとする聖女と、無骨ながらも言葉と行動でその背中を支える剣士。互いを完成された英雄として見るのではなく、未熟さや痛みまで受け止めながら距離を縮めていく関係が温かいです。
緊迫した戦いの合間には、精霊たちとの賑やかな掛け合いや穏やかな時間があり、旅の一行が本当の仲間になっていく実感も心地よく描かれています。
世界を救うための物語でありながら、まずは目の前の一人を救い合う。その積み重ねが祈りと剣を本当の力へ変えていく、王道の魅力に満ちた冒険譚です。