好きだったクラス1番のマドンナに嘘告され「夢見すぎ」と馬鹿にされた僕に、学校一の清楚系美少女が仮交際を求めてきた件―交際を知った美少女達が勝手に曇り始める―
第36話 放課後の禁域と、甘く溶ける甘美な包囲網
第36話 放課後の禁域と、甘く溶ける甘美な包囲網
「三郷さんばかり、ずるいよ……っ」
笹浪さんの切ない声音とともに、僕の右腕に包み込まれた豊かで柔らかな感触。
左からは、三郷のしなやかな肢体が密着し、僕の首筋に熱く濡れた吐息を吹きかけてくる。
「寿羽さん……割り込まないでちょうだい。今は私となつめの時間よ」
「嫌だよ……! 私だって、なつめくんに私の体温を感じてほしいもん……! 仮交際にかっこつけて、三郷さんばっかりズルい……っ!」
笹浪さんは僕の腕を一層強く自分の胸元へと抱き寄せた。
薄い生地越しにダイレクトに伝わる彼女の果実のような柔らかさと、衣服を掠めるたびに甘く香り立つ果実の香り。
反対側では、三郷が小さく嫉妬を燃やした瞳で僕の顎に細い指先をかけ、逃がさぬように顔を上向かせる。
「なつめ……あなたの視線も、心も、私以外の女に奪わせないわ」
彼女の濡れた桃色の唇が、僕の唇にほんの数ミリまで迫る。
触れ合うか触れ合わないかの、もどかしくも官能的な距離。呼吸すら共有させられるような密室の熱気に、僕の理性が甘く痺れていく。
――しかし、二人の才女による独占戦は、それだけでは終わらなかった。
「……ずるい」
ふわりとバニラのような甘い香りが漂い、更衣室のカーテンの隙間から、白銀の髪を揺らした椎名小春さんが忍び込んできた。
彼女はいつもの無表情を熱で上気させながら、僕の腰元へとすっと小さなしなやかな両腕を回して抱きついてくる。
「し、椎名さんまで……!?」
「なつめくんの温かいところ、私も欲しい。……三郷さんたちだけ、ずるい。私は、なつめくんの騎士だから……一番近くにいる」
椎名さんは僕の胸元に小さなおでこを擦り付け、その華奢な身体をすっぽりと僕の正面に預けてきた。
前からは椎名さん、右からは笹浪さん、左からは三郷。
さらには、背後から音もなく伸びてきた冷たい、けれどどこか妖しい手が僕の制服の裾から滑り込み、背中をなぞり上げた。
「私の伴侶。闇も、熱も、全部私と分かち合うの」
「あ、浅利先輩……! どこ触ってるんですか……っ!?」
背中を撫で上げる浅利先輩のひんやりとした指先と、身体の前側から押し寄せる三人の少女たちの熱い体温。
寒暖の差がもたらすあまりにも過激な快感と刺激に、僕の背筋にぞくぞくと熱い電流が駆け巡る。
「みんな、ちょっと待ちなよ。私を置いて盛り上がられちゃ困るんだけど?」
「私だって! 私だって、なつめくんに触りたいよ……!」
更衣室のカーテンが完全に開かれ、凛花さんと天音さんまでもが狭い密室へと雪崩れ込んできた。
現役モデルの洗練された甘い香水を纏った凛花さんが僕の耳元に顔を寄せ、その柔らかな唇で耳たぶを優しく食むように囁く。
「なつめくん……顔、すごく赤くなってるよ? 可愛いね……。私のプロデュース、体で覚えてみる?」
「り、立花さん……あ、そこは……っ!」
天音さんは照れくさそうに顔を真っ赤にしながらも、僕の空いている指に自分の指をぎゅっと絡めてきた。
「私、こういうの詳しくないけど……でも、なつめくんの熱いところ、すごく伝わってくる……逃げちゃ、ダメだからね? 」
六人の才女たちによる、完璧で不健全な密着包囲網。
耳元を弄る凛花さんの甘い吐息、首筋を狙う三郷の熱い視線、胸に押し当てられる笹浪さんと椎名さんの豊かな柔らかさ、背中を妖しく撫でる浅利先輩の指先、そして手を強く握りしめる天音さんの熱情。
鼻腔を狂わせる、六者六様の甘い少女の香り。
肌と肌が触れ合い、体温と呼吸が混ざり合う密室で、僕の理性はすでに限界を迎えようとしていた。
「ん……なつめ……私のものになりなさい……」
「なつめくん……私だけを……見て……っ」
「……なつめくんの心臓、すごく速い。可愛い……」
「伴侶……溶けちゃいそう……」
「なつめくん……好きだよ……」
「逃がさないからね……なつめくん……」
耳元で同時に重なる、甘く蕩けたような少女たちの囁き。
誰もが一歩も引く気のない、情熱と独占欲の渦。
修羅場でありながら、この上なく官能的な至福の包囲網の中で、僕はただ息を荒くし、彼女たちの甘い毒に身を委ねることしかできなかった。
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