好きだったクラス1番のマドンナに嘘告され「夢見すぎ」と馬鹿にされた僕に、学校一の清楚系美少女が仮交際を求めてきた件―交際を知った美少女達が勝手に曇り始める―
第33話 試着室の大惨事と、夕闇の宣戦布告
第33話 試着室の大惨事と、夕闇の宣戦布告
「ひ、ひぃぃぃぃっ! 誤解です! ファスナーを上げただけです!!」
狭い試着室のカーテンが開け放たれ、僕の悲痛な叫びが更衣室に虚しく響き渡る。
目の前に立ちはだかるのは、黒のゴシックドレスを身にまとい、氷の刃のような視線を向ける三郷。
その隣には、純白のワンピースドレス姿で、今にも泣き出しそうな瞳で僕を睨みつける笹浪さん。
さらに背後からは、スポーティーな衣装の天音さん、クラシカルなドレスの椎名さん、そして漆黒のドレスを着た浅利先輩が迫っていた。
「ファスナーを上げるだけにしては、随分と顔が近かった気がするけれど?」
三郷が低く澄んだ声で、一歩踏み込んでくる。ドレスの裾がさやさやと揺れ、その圧迫感は、まさに絶対零度の女王様だ。
「そうだよ、なつめくん! 私、着替え終わったら一番になつめくんに見てもらおうと思って急いだのに……立花さんと二人きりで、そんな……っ!」
笹浪さんは両手を胸の前でギュッと握り締め、ポロポロと涙をこぼしそうな顔で僕を追い詰める。
しかし、当の凛花さんは悪びれる様子もなく、僕の腕に自分の細い腕を絡めると、クスクスと小悪魔的に微笑んだ。
「あはは、みんな、怖い顔しないでよ。私はただ、なつめくんにドレスを着せてもらっただけだよ? 現役モデルの着こなしを、一番近くで体感してもらったの」
「凛花さん、火に油を注がないで!?」
僕が悲鳴を上げるのも無理はなかった。才女たちの瞳に宿る炎が、さらに激しく燃え上がったからだ。
「不公平。私も、なつめくんにファスナーを上げてもらう」
椎名さんが静かに一歩前へ出ると、自身のドレスの背中をちょんちょんと指差した。
「伴侶。私のも上げる。脱がすのも、可」
「脱がすのは不可です!!」
「ちょっと、みんな待ってよ! 私だって、私だって、なつめくんに着せ替えてほしいよ!」
天音さんまで顔を真っ赤にして参戦しようとし、更衣室の中は、もはや完全な大混乱に陥った。
入り口で見ていた穂状さんが、「もう駄目です、会長! キャットファイトが勃発します!」と頭を抱えて崩れ落ちている。
「静粛に!!」
ついに桐谷会長の怒号のような声が更衣室に響き渡り、才女たちの動きがピタリと止まった。
「全員、素晴らしい試着姿だ! だが、更衣室で揉めるのは筋違いというもの。影久くん、君が責任を持って、この素晴らしいドレス姿の才女たちの中から、今日の『一番』を判定するんだ!」
「ええっ!? 僕が判定するんですか!?」
丸投げされた選択の重さに、僕のライフは再び削り取られていく。
六人の才女たちが、それぞれの魅力を最大限に引き出した最高峰のドレス姿で、一斉に僕を振り返る。
黒のドレスで高貴な美しさを放つ三郷。
純白の衣装で可憐さを爆発させる笹浪さん。
華やかなオーラで圧倒する凛花さん。
元気さとのギャップが生み出す可愛らしさを見せる天音さん。
幻想的なお姫様のような椎名さん。
そして、ミステリアスな魅力をまとう浅利先輩。
全員が、僕の言葉を一言たりとも聞き逃さないよう、真っ直ぐな好意と情熱を込めた視線で僕を見つめていた。
「なつめ。……分かっているわね?」
三郷が静かに、けれど逃げ場を完全に塞ぐような微笑みを浮かべる。
「なつめくん、私の本気……見てくれた?」
笹浪さんが、上目遣いの潤んだ瞳で見つめてくる。
誰か一人を選べば、他の全員からどんなお仕置きをされるか分からない。
けれど、全員を放置することも許されない極限状態。
文化祭に向けた衣装会議は、僕の青春史上最大にして最高の、そして最も危険な『選択の瞬間』を迎えようとしていた。
―――――――――――――――――――――――――――あとがき!!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
少しでも続きが気になった方は、これからの執筆へのモチベーションに繋がりますので、作品フォロー&★評価機能で応援いただけると大変励みになります!
すでに応援いただいている読者様には感謝しかないです! 頑張って続きを書いていきますので、よろしくお願いします!
※この作品の評価機能は最新話のページ下部より可能です。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます