第2話 熱気のバスルーム

「白菜かけますね」

「オッス」

そうとしか聞こえないが、そう言って鈴木先輩は三浦先輩の背中をボディソープで洗い始める。

…こんな直球に言うのもどうかとは自分でも思うが、鈴木先輩は滑舌がだいぶ良くないせいで時々何を言っているのか分からないときまであったりする。

「ああもう、疲れましたねぇもう…」

「ああ今日は…大変だったなーもう」

「こんなん毎日続いたらもう、やめたくなりますよね〜」

「ですね…」

わかる。実際、先輩でもやめてる人がいるくらいだ。誰がそう思ってもおかしくはない。

「なぁ。木村も今日疲れたろう、なあ」

「疲れました…」

「なあ?」

三浦先輩に聞かれて、僕はそう答えた。

…やっぱり、疲れた後の風呂は気持ちいいなぁ…

「じゃあ流しますねー」

「おお、頼むゾ」

「ドアラァ…」

ほら出た。ため息なのか、それとも何か言ったのか。きっと三浦先輩も同じく分かっていない。

「ふう…」

「頭いきますよ」

「おっ」

「あーもう一回いってくれ」

「いいっすか?はーい」

「おっ、サンキュ」

「はーい」

そんな会話をして、三浦先輩は頭を洗ってもらい終えた。

…本当にこんな光景あるんだな、漫画とかだけかと思ってた。 なんて思っていたら、


「ほら、次、木村」


「はい」        

「お前もだよ」

「え、僕もやるんですか?」

「当たり前だよなぁ?」

「うん、俺もやったんだからさ」

…えぇ…。   

(でもあんまり断るわけにもいかず、しぶしぶ洗い始める。)


「ふわああああああん疲れたもおぉぉぉぉぉぉん」

湯船に入った鈴木先輩が、さっきと同様に咆哮し始めた。それだけ疲れてたんだろう。

「木村も結構…洗い方上手いじゃん」

それは褒め言葉なんだろうけど、良い気がするかって言われるとな…

そう思っていると、不意に三浦先輩の股間がムクムクと大きくなり始めた。

………!?

「あっ、ありがとうございます…」

それを見て、三浦先輩にぎこちない返事をした後

「俺も後から洗ってくれよな〜」

「えっ」      …どうして僕がこんな目に…

「頼むよ〜」

…んなこと言われても…。


…よし、一通り洗い終わったか。

「じゃ、流します…」

そして洗い流そうとすると三浦先輩が不意に

「あっ、おい待てい」

「ふう…」

鈴木先輩が息をついた後、

「まだ肝心な所洗い忘れてるゾ」

「え、肝心なとこ…?」

急に言われた言葉に僕が困惑していると、


「何とぼけてんだよ、ここ洗えよ」


三浦先輩が指したそこには……カチカチに大きくなった股間部があった。

た、確かに洗ってはなかったか…

「あ、わかりました…」

三浦先輩が間違っているわけでもなかったから、洗うしかないか…そう思い、そこを洗い始める

「カンノミホ…何だ木村嬉しそうじゃねえかよ〜」

「いや〜そんなこと…」

…何を言っているんだ先輩は、と思ったが言い出す勇気もなく、洗い続けるしかない。


…指摘されたそこも洗い終わった後。

「フゥー…三浦さん上がりますかぁ?」

「そうだな…流してくれ」

「あっ…はい…スッー」

…ようやくか…地獄でしかなかった…

「ふぅ〜」

「熱くないですか?」

「おっ、いいゾ〜」

「はい…」

まともに僕体も洗えて無いけど…それで言ったら三浦先輩も湯船入ってなかった気がするけど…

「上がったらビールですよ先輩〜」

「そうだな〜」

「多分冷えてますよ〜」

「今日はいっぱい飲むゾ〜」

「フゥーッ」

「すいません…」

一応、意味があるかは分からなかったけど、三浦先輩が湯船に入れてなかったことについて謝っておいた。

「フゥーッ」

「よし、じゃあいいゾ」

「あ、はい。分かりました」

三浦先輩に言われて、僕も上がる準備をする。

「あーさっぱりした」

…体洗えてない自分への皮肉に聞こえるが、どうなんだか。

(バン!ババン!バン!)

「ふぉ〜〜あっつー」

「ふぉ〜〜、ビール!ビール!あっつ〜!」

「あー早くビール飲もうぜ〜。おっ、冷えてるか〜?」

「んぁ、大丈夫っすよ、バッチェ冷えてますよ」

「Foo」

そんなありきたりな会話をした後、僕達は和室で少しくつろぐことにした。






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