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概要
世界を動かしていたのは、最強の兵器ではなく、一塊の湿った花火だった。
腕のいい花火職人が遺した、一世一代の大玉。それは立ち退きを迫る国を脅すための「爆弾」という職人の大嘘から、数百年にも及ぶ国家間の壮大な茶番劇へと巻き込まれていく。中身はただの、しかも湿気で傷んだ花火。しかし、誰もがその正体を確かめることを恐れ、見た目だけの「兵器」「抑止力」「国家の守護神」として世界を渡り歩く。当の花火が箱の中から人間の愚行を高みの見物する中、ついに一人の若い王が箱を開けると言い出し、世界の「嘘の地層」が暴かれる瞬間が訪れるが――。一個の張りぼてが世界を欺き、世界を回し続けた、皮肉で可笑しな「現象」の記録。
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