第3話 魔法を覚えよう
そんな日々を過ごして一年がたった。
6歳になった僕たちは、ついに魔法を教えてもらえるようになった。
「よし、今日からお前ら二人に魔法を教える。」
教師は父のハーランだ。
ハーランは元冒険者で、剣も魔法も使えるらしい。
「よろしくおねがいします!」
元気よく、アイラが返事をする。
「よろしくおねがいします。」
僕も返事をする。
「まず、ここには魔力と呼ばれるものがある。魔力はどんな生き物の中にもあって、当然俺たち人間にも存在する。だから、自分の中にある魔力を感じ取れるようになるところから始めよう。魔力は自分の体の真ん中あたりにあって、それを感じ取ってみろ。」
僕は自分の胸に手を当ててみる。
確かに、中になにか変なものがある。
これが魔力だろう。
でも不思議と、なにか覚えがあるような感覚だ。
「魔力を感じ取ると、だいたいの自分の魔力量がわかるようになる。魔力量が多いほど使える魔法が増えるから、確認してみろ。」
「おじさん!どうやったらまりょくりょうがわかるの?」
「魔力量は目安として、自分の体と比べてどうか、って感じだな。自分の体の三分の一くらいだったら普通くらい、それより多かったら優秀って感じだ。」
すると、アイラも魔力を感じ取っているようだ。
「おじさん!わたしけっこうおおいかも!」
「お、どのくらいか分かるか?」
「えっと、はんぶんよりあるかも。」
「おお、それなら結構いい線いってる。アイラはいい魔法使いになれるかもな。」
アイラはそんなにあるのか。
僕はどれくらいかな。
「ん?」
胸に手を当てながら、僕は疑問に思った。
「どうした。ソラはわからないか?」
「いや...」
なんというか、体の隅々までぼやけていて、量がわからない。
「なんというか、からだぜんぶがぼやけててわかんない」
「そんなことはないはずなんだがなぁ。本当にわからないか?」
「うん。わかんないや。」
「そうか、まあそのうち分かるようになるだろう。じゃあ次だな。
魔法はすべてイメージで決まる。たとえば、」
と、ハーランは右の手のひらをあげる。
すると、手のひらに水の玉が出現する。
「すごい!どうやったの!?」
「これは、自分の手のひらの上に水の玉が存在するイメージをして、そのイメージに魔力を込めるんだ。そのイメージが現実になるようにな。」
そう聞くと、アイラは自分の両手をあげる。
「うーん。おみずおみず...」
すると、アイラの手にハーランと同じような水の玉が出てきた。
「やった!ねえソラ、でたよ!」
「すごいね、アイラにはさいのうがあるのかも。」
「えへへ、そうかなぁ。ねえ、ソラもやってみてよ!」
そう言われ、僕も手をあげて試してみる。
えーと、手のひらに水のボールがあるイメージで、、、
シーン。
だめみたいだ。イメージがあっても、やはり魔力が認識できないからだろうか。
「だめみたい。」
アイラはしゅんとしている。
「ま、今はできなくてもいい。ゆっくりやっていけばいいさ。」
しかし、いくらたっても僕は魔法を使えるようにはならなかった。
だけど、この体の中の既視感はなんだろうか。
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