第2話 もしもが本当になったら
ある日、とある世界で新しい命が生まれた。
生んだ両親は生まれた子どもをとてもとても愛し、どんな子になるんだろうと想像を膨らませていた。両親からの愛情をよくもらった子どもは、すくすくと成長していった。
「って、ほんとに生まれ変わったんだ...」
僕の名前はソラ。
奇しくも前世の名前と同じになった。
そして、理由は分からないが、知らない世界に生まれ変わったらしい。
この世界にきて5年ほど経つが、今わかることはとある国の小さな農村生まれ。
周りには畑と森と川と山しかないド田舎のようだ。
こっちでは前の病気の時とは考えられないほど健康で、まだ病気にかかったことがない。
せっかく元気な体で生まれたのだから、自分のやりたいことをやってみたいと考えていた。
「ねえソラ!なにしてるの、おいてくよ!」
そんな考え事をしていると、アイラが僕のことを呼んでくる。
アイラは僕の家の隣に住んでいて、この村の村長の娘だ。
昔から隣で同い年なことをいいことに、生まれた時からずっと一緒にいる気がする。
「ちょっとまって、いまいく!」
そう言って、アイラの元に急ぐ。
「なにのんびりしてるのよ。きょうはうらのもりにいくひでしょ。」
「ごめんごめん、ちょっとかんがえごと。」
僕たちは、何日かに一回、村の裏にある森に遊びに行っている。
森の中に変な小屋を見つけて、そこを使ってままごとなんかで遊んでいた。
「ねえアイラ、やっぱりあそこつかうのやめない?」
「なんでよ、わたしたちだけのばしょってかんじがあっていいじゃない。」
「でも、ここにはあまりはいっちゃだめっておとうさんがいってたよ。」
なんでも、この森には危険な『魔物』と呼ばれる生物がいるらしい。
「だいじょうぶ!なにかあってもわたしがソラのことまもるから。」
いつもこう言ってるが、実際そんなもの見たことがない。
だけど、用心に越したことはないだろう。
「でも、このもりこわくない?なんかくらくて。」
「ソラはいっつもこうなんだから。いままでなにもなかったじゃない。」
そんな話をしながら、いつも時間いっぱい遊んでいる。
今日もそんな一日だった。
「じゃあまたね!」
日が落ちてきたので、森から出て、アイラといっしょに家まで帰る。
家のドアを開けると、
「おかえりなさい。今日もアイラちゃんと遊んでたの?」
そう言って、エリナが夕食を作りながら振り返る。
エリナは僕の母親だ。
「うん。きょうもそとであそんだ。」
「二人はいつも仲良しね。私羨ましいわ。」
「なんでだよ、俺たちもラブラブだろうが。」
と、父のハーランが口をはさむ。
「冗談よ、いつも愛してるわ。ハーラン♡」
毎度親のいちゃつきを見せられる僕の気持ちにもなってほしい。
今日遊んだ内容を二人に話しながら夕食を食べ、気づいたら寝る時間になる。
この時間は、母が本を読んでくれる時間になっていて、いつも楽しみだった。
「きょうはどんなほん?」
「そうねえ、今日は魔法使いの冒険話にしましょうか。」
そう、この世界には魔法があって、みんな当たり前のように使っている。
身体強化みたいな魔法から、火の玉を出して攻撃したり、水を出して洗濯に使ったりと、いろんな魔法がある。
僕も使えるらしいが、まだ使い方は教わってない。
魔法は危ないので、もう少ししたら教えてくれるそうだ。
やっぱり、魔法が使えるなら使ってみたいのが男の子だ。
エリナの話を聞きながら、遊んで疲れていた体には逆らえず、僕は眠りについた。
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