第11話

 あれから1週間経つがまだ隣町での流行り病は終息していなかった。それどころかより多くの人に感染症が蔓延しているらしい。


 幸い今のところはこの街まで流行り病が起きてはいないが、それもどうなるのか分からないくらいには隣町がヤバイ。


 この1週間は毎日毎日俺は栄養剤を作る毎日だが、流石に素材の問題もあって栄養剤のレシピは3種類目のレシピで栄養剤を作っているほどだ。


 薬師ギルドではいつも以上に薬の匂いがすごい中で、俺は今日も栄養剤を作るのに調合室に籠っていた。


 今回のレシピは初めて調合する内容のレシピだから慎重にやろう。


 材料は蜂蜜を主軸にして8種の薬草を使って作成する栄養剤。


 乾燥している薬草数種を水からゆっくりとお湯になるまで浸ける。その際に沸騰しない様に注意が必要の様だ。


 乾燥した薬草数種から薬効成分を抽出している間に、新鮮な薬草を薬研ですり潰してペースト状にしていく。


 薬研で薬草数種をすり潰す途中で蜂蜜を少し追加しながらまたすり潰してペーストに。


 そうして出来たペーストを沸騰までしていない鍋のお湯の中へと投下してじっくりとお湯の温度を一定のままで煮込んで薬効を抽出するのだが、その時に鍋を掻き混ぜるのを忘れてはいけない。掻き混ぜるペースは30秒に1回のペースで。


 30分ほど鍋で煮込んでから火を止めて鍋を取り上げて別の場所で鍋ごと薬効成分が抽出された液体を冷やしていく。


 その冷やしていく間に残りの蜂蜜を鍋の中に入れてゆっくりと掻き混ぜて蜂蜜を溶かしながら鍋の液体に満遍なく蜂蜜が行き渡る様にする。


 触っても火傷しないくらいの温度に鍋がなったら、あとは鍋の中の液体を濾して、液体と保存液を6:4の割合で混ぜれば栄養剤の完成だ。


 「1本作るのに1時間は掛かった。」


 まだ10本で栄養剤を作るのは難しいだろうが、3本、5本と増やして今日中には10本を目指して頑張っていこう。


 「まずはこれを綺麗にするところから始めないと。」


 先ほどまで使った道具を綺麗にするところから再開して、10分ほど時間を使って掃除する必要のある道具を綺麗にした俺はまた栄養剤を作り始める。


 そうして次は栄養剤を3本分の素材を使って栄養剤の作成を開始した。


 ここで苦労するのは薬研で3本分の素材をすり潰すのが苦労するところだ。


 鍋の水からお湯になるまでに抽出される時間は鍋の中に入れた乾燥薬草の量が増えても一定の時間で抽出されるが、その後に投下するすり潰した薬草ペーストをすり潰す時間は素材の量が増えて変わってくる。


 なるべく早くなるべく丁寧に、俺はそれを意識しながら3本分の素材を薬研ですり潰していく。


 「見た限りだとあと少しすり潰しておく方がいいな。」


 素材を見抜く目と素材の下処理上手のスキルの効果でそう直感的に理解した俺は丁寧にすり潰していく。


 そうして完成した薬草ペーストを鍋に投下して煮込む。その際に掻き混ぜるのを忘れずに。


 「あと少し………………よしここだ。」


 鍋の火を切って鍋を調合台の上に移動させると、そこで鍋が冷えるまで蜂蜜を入れながら掻き混ぜていく。


 そうして鍋が冷えて栄養剤の原液が完成すると、栄養剤の原液に塵が入らない様に濾して綺麗な液体だけにしてから保存液と混ぜ合わせて3本の栄養剤が完成する。




 それから俺はもう一度だけ3本分の栄養剤を作り、次は5本分の栄養剤を作ってから2回ほど5本分の栄養剤を作って完成したのを確認するといよいよ10本分の栄養剤を作り始めた。


 使用する道具も10本分だからこそ大きくなり、一つ一つの下処理にも労力がかなり増えてしまったが、この日に品質としては問題ないほどの栄養剤を10本分を作ることには成功した。


 でもその分だけ疲労はすごく、ポーションを使って疲れを癒して一休みしないと行けないくらいには大変な作業だった。

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