第12話

 「おい、聞いたか?」


 「聞いた聞いた。この街にも流行り病だと思われる症状の患者が出たんだろ?」


 そんな話を薬師ギルドに入った時に俺よりも階級の高い薬師ギルドの会員が話しているのを聞いてしまった。


 まさかこの街でも流行り病が流行するかもしれないなんて思いもしていなかった。


 今回の流行り病の予防薬になる薬は薬師ギルドの会員なら貰って接種している。


 だから俺が流行り病になる可能性は予防薬を接種していない人に比べて低いはずだがそれも絶対ではないので気を付けないといけない。


 外出後は手洗いうがいを徹底するのは確実にならないといけないし、マスクの代わりに口元に布を付けて置いた方がいいのだろつか?


 一応は俺が使う様に栄養剤や身体の免疫力が上がる薬を作って収納袋に入れているけど使うことはあるかもしれない。


 そうなるとなるべく薬師ギルドに籠っていた方がいいかもしれない。


 今なら貸し切りで調合室は使えるし、薬師ギルドの中ならシャワー室やトイレも完備している。


 問題があるとしたら食料だけど、それは収納袋の中に入れて置けば問題もないだろうから今のうちに溜め込めるだけ食料の確保をした方が良さそうだ。


 まだ流行り病がこの街に流行っていないしすぐに俺は行動することにした。


 もちろん薬師ギルドを一時的に出るからこの事を丁度受付に居たレイナさんに伝えてから薬師ギルドの外に出た。


 そうして屋台で果物や野菜、既に焼けている串焼きや温まっているスープを蓋付きの皿や鍋に入れてから収納袋へと収納する。


 俺の特別性の収納袋の中なら時間も止まっているし、今後はいつでも新鮮で焼き立てな食料で腹を満たせるようになる。


 とりあえず必要な食料を含めた物は全て購入して俺は薬師ギルドに戻った。


 もう既に買い物に時間を使ったせいで薬師ギルドの中は薬師ギルドの会員たちはそこまでロビーには居ない。調合室で薬を作っているのだろう。


 俺も調合室に向かおう。


 でもその前に戻って来たことをレイナさんに伝えて置かないといけないだろう。


 丁度レイナさんも受付に居るしね。


 「レイナさん、今さっき戻りました。」


 「お帰りなさい。それで買えたの?」


 「はい。当分は調合室の外に出なくても良いくらいには食料を買って来ました。」


 収納袋をぽんぽんと叩いてこの中に買ってきた食料は入っているぞとレイナさんに伝える。


 「それじゃあ薬を作って来ますね。」


 「えぇ、頑張ってね。この街にも流行り病の症状の人が出始めたみたいだから。」


 「はい。」


 俺はレイナさんと別れると調合室に向かった。


 昨日と同じ栄養剤を今日も作って行くのだが、昨日は10本分の栄養剤を作れたから今日も同じ様に10本分で栄養剤を作っていこう。


 素材や道具の用意をする前に手洗いうがいを済ませてから道具や素材の用意を行なっていく。


 「まずは鍋に水を入れて乾燥薬草を入れてから火を着けるっと。」


 火は弱火にしてゆっくりと鍋の中の水を温めていくようにしておくと、俺は次に薬研の中に入れて置いた薬草数種を薬研ですり潰していく。


 多くの薬草素材が入っているからすり潰す際に力を入れないと行けないが、それでも力を入れ過ぎると駄目だからそこのところも気を付けてすり潰す。


 「まだまだ。」


 まだペースト状とは言えないから、もっと薬草素材をすり潰していく。なるべく繊維も切るようにすり潰す。


 「ん〜あと少しかな?」


 ペースト状にはなって来ているけどまだ薬効成分をより多く抽出するにはもう少しすり潰す必要がありそうだ。


 そうしてようやくペースト状にした薬草数種を鍋に入れて掻き混ぜていく。


 それからも栄養剤作りは続けて行き、ようやく栄養剤の原液を作り終えて保存液と混ぜ合わせることで栄養剤は完成した。

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異世界生活始めました。 甲羅に籠る亀 @GOROHIRO

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