第3話

 調合室を出て受付に戻り、そこで薬師ギルドのギルドカードをレイナさんから受け取ることになった。


 「これが薬師ギルドのギルドカードです。今はF級ですね。階級が上がれば読める資料や購入できるレシピや素材が増えるので階級を上げる様に頑張ってくださいね。」


 「頑張って階級を上げるよ。」


 ギルドカードを渡された俺はレイナさんに今後泊まる宿屋で良いところがないかを聞いた。


 「それなら赤犬亭が良いですよ。ご飯も美味しいですから。」


 「なら、そこが泊まれるか聞くことにするよ。」


 それならとオススメしてくれた宿屋の赤犬亭に向かうことにした。


 薬師ギルドを出て赤犬亭に向かう。


 レイナさんに聞いた通りに道を進んで途中で見つからなくて街の人に聞いたりしながらも赤犬亭に到着した。


 「ここが赤犬亭……大きな。」


 流石に薬師ギルドほどとは言わないがそれでも赤犬亭は規模としては大きな宿屋だった。


 赤犬亭の中に入り早速受付を済ませる。


 「よかった、泊まれる部屋があって。」


 「うちは結構人気がありますからね。空いている部屋もあと2つだけでしたのでよかったですね、お客さん。」


 「はい。」


 部屋に案内されながら赤犬亭を見てサービスが見た感じだけど行き届いている様に見える。


 「ここがお客さんの部屋です。赤犬亭を出る時は鍵は預けてください。」


 「分かったよ。」


 渡された部屋の鍵を使って中に入った。


 泊まる部屋は狭くなくベットやテーブルがあっても広いと感じるくらいには広い部屋だ。


 収納袋をテーブルに置いて横になる。


 今日は歩き通しな上に初めての薬の製作まであって肉体的にも精神的にも疲れた。


 俺はベットの上に横になるとすぐに眠気が来てしまいそのまま眠ってしまった。


 それから目が覚めて起きたのは窓の外が暗くなり始めた頃だった。


 「ちょっと眠ってスッキリした感じがするな……お腹も空いてきたし、夕食に出来るか聞いてこよ。」


 ベットから立ち上がった俺は収納袋を身に着けて鍵を持って部屋を出る。


 赤犬亭の一階には食堂があり、そこで朝食と夕食が泊まると食べられる。


 泊まらずに食事だけの客もいるそうだから席が空いていると良いなと思いながら食堂を見た。


 ちらほらと人が座っているがまだ混む時間帯ではないのだろう。


 「泊まりのお客さんですね。お席にどうぞ。夕食をお持ちしますね。」


 泊まる部屋の鍵を見せれば店員の女性が席まで案内してくれた。


 泊まる客の夕食は朝食と一緒で決まっているのだろう。


 もし他に食べたい物が食べたかったのなら別途で注文するしかないのだが、どんな物が出されるのか分からないから待つことにした。


 「お待ちしました。夕食のラビットステーキです。」


 ドンとデカデカとしたステーキに蒸したジャガイモ、それに丸いパンが2つと葉物野菜のサラダがテーブルに出された。


 どれもボリュームがかなりあって食べ切れるのか心配になってくるほどだ。


 「……美味いな。」


 分厚いから硬いのかと思ったラビットステーキは柔らかくて歯でも問題なく咀嚼できる。


 ジャガイモ、サラダ、パンと口に運んで次々に食べていく。


 異世界だから食生活は前の世界の時よりも美味しくはないかと思ったが全然そんな事はないくらいに美味しい。


 「もしかしたら料理を作る様なジョブなのかも。」


 厨房は見えないが料理を作ってくれている人は料理人の様なジョブの人が作ってくれているからこそ美味しいのかもしれない。


 「ごちそうさま。美味しかったです。」


 「ありがとうございます。下げますね。」


 食べ終わった後の食器が下げられていくのを見終わると、俺は夕食を食べ終わり部屋に戻る。


 「今後どうするかなー。」


 これからこの世界で暮らすのにどう言った方針で過ごしていくのかを考えることにした。


 「世界中を回ってみたいけど、俺のジョブは薬師だしな。」


 戦闘が出来ないジョブでモンスターや盗賊なんて危険がある世界を回って旅をするなんて事はかなり難しいはずだ。


 戦闘系のジョブだったら難しいことを考えずにただモンスターを倒しながら強くなる為に暮らせたと思う。


 とにかくレベルを上げるのにも俺はモンスターとの戦闘ではなく、薬師としての活動でレベルアップを目指すべきだ。


 「薬師ギルドで薬を作りながら過ごす感じかなぁー。」


 薬師ギルドで調合室を借りて、素材を購入して、購入した素材で薬を作ってレベルアップをする。


 「ランクを上げて薬のレシピを買って色んな薬を作るのも楽しいかもしれない。」


 今日初めて薬を作ったが思ったよりもつまらなくなく楽しかった思いがある。


 それに色んな薬が作れる様になれば旅先でも役に立つはずだ。


 ベットに横になりながらとりあえずこれからの方針を決めた俺は眠くなってくるまでの間、ジョブスキルの薬師知識の知識の情報を確かめながら過ごすのだった。


 そして翌日、赤犬亭の朝食を食べ終えた俺は部屋の鍵を預けるのと同時に1ヶ月分の支払いをして1ヶ月赤犬亭を活動拠点にすることに決めた。


 真っ直ぐに薬師ギルドに向かった薬師ギルドの中に入り受付に居たレイナに話しかけた。


 「おはよう、レイナさん。調合室って借りられる?」


 「おはようございます、ノザキさん。空いている部屋はありますので借りられますよ。これが調合室を借りる料金表です。」


 調合室を1時間借りるのに必要な料金は銀貨1枚。1日の貸し切りにするのなら銀貨10枚必要な様だ。


 今日は1日中薬を作るつもりだから貸し切りにした方がいい。


 銀貨10枚出して調合室の貸し切りで調合室を借りる。


 「銀貨10枚丁度ですね。これが調合室の鍵です。鍵のところに部屋の番号が書かれているのでその部屋をお使いください。」


 「分かった。」


 調合室の部屋の鍵を持って俺は次に薬の材料になる薬草系の植物素材と魔石の購入を調合室に向かう前に行なってから調合室に向かった。


 下級回復ポーション10本分の素材を購入し、これからこの素材を使って下級回復ポーションを作り、10本分の下級回復ポーションを作り終えたら薬を売ってまた新しく素材を購入して薬作りを行なう。


 それを繰り返し行なうのが今日の予定だ。


 途中で昼食を食べることになるが、薬師ギルドのことを教えてくれた串焼き屋台で串焼きを食べようと思う。


 そんな事を考えながら到着した調合室の鍵を開けて中に入った。

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