第2話

 串焼き屋台のおじさんが教えてくれた薬師ギルドに真っ直ぐに向かった。


 「ここが薬師ギルドかー。」


 薬を扱うからなのかは知らないが街の中でもそこそこ人通りのある通りに薬師ギルドはあった。


 薬屋の役割もしているからこそ、この様な立地をしている場所にあるのかも知れない。


 薬師ギルドの中に入って中を確認する。


 ここの薬師ギルドは薬の販売コーナーが右側にあり、左側には受付があったから受付に向かう。


 「薬師ギルドにようこそ。本日はどの様なご用件でしょうか?」


 「薬師のジョブなので、薬師ギルドに入りたいんですけど。」


 「こちらに記入をお願いします。その後に薬師ギルドの説明をしますね。」


 薬師ギルドに入る為に記入しないといけない書類の記入を終わらせると、早速薬師ギルドに付いての話を聞くことにした。


 「まず薬師ギルドでは薬の調合のサポートを行なえます。薬師ギルド内には調合室があり、そこで薬の調合を行なえます。薬の買取値段としてはこの様な感じですね。」


 薬の一覧を見せられる。


 そこには薬名から買取値段などが書かれていた。


 「それではこれから試験を行ないます。最も流通している下級回復ポーションの作成ですね。それをこれから調合室で行なって貰います。」


 「分かったけど、道具や素材はどうすれば?」


 「道具は調合室に、素材はこちらが用意をします。それでは行きましょう。」


 受付嬢の後を着いて調合室に移動する。


 調合室までの道のりの途中で植物の匂いがする。薬の調合に使用するだろう薬草の匂いだろうか。


 「登録試験です。下級回復ポーションの素材をお願いします。」


 「分かった。すぐ用意する。」


 受付嬢たちの会話を聞きながら下級回復ポーションの素材が用意されていくのを眺めていると、スキルの薬師知識にある通りの素材が用意されていた。


 素材が用意されれば受付嬢の女性が受け取って調合室まで案内される。


 「ここが調合室です。お一人で調合することになりますが、問題はないですか?」


 「一応、スキルの知識はあるので問題ないと思います。」


 「なるほどそうですか。一通り最後まで作り終えるまでこちらは何も言いません。それでは始めてください。」


 下級回復ポーションの素材を受け取ると、俺は調合室の中にある調合道具を揃えていくことから始めた。


 知識にある通りの調合道具を集め終えると、まずは素材の確認から始める事にした。


 明らかに1つの下級回復ポーションを作る量以上の素材が用意されている。


 これは素材の良し悪しを観れるのかを確認しようとしているのかも知れない。


 下級回復ポーションに使われる素材は薬草系の素材と魔石の2つだけ。


 その中でも乾燥した薬草系素材が混ざっていないので、今回は薬草系素材は鮮度を確認する事にした。


 「…………これ、かな。」


 吟味した結果、用意された素材の中から薬草系素材を選び終えると、次は魔石の確認をする。


 魔石は内包している魔力が下級回復ポーションを作るのに関係している。


 知識にある通りなら魔力が多過ぎても少な過ぎても下級回復ポーションの品質に問題が起こるそうだ。


 魔石を手に取って確認する。


 内包している魔力がどれくらいの量なのかを調べようと思うのだが、ここで問題が発生する。


 魔石にどれくらいの魔力が内包されているのか、俺が魔力を感じ取ることが出来ないから分からない。


 2つの魔石を手に取って内包されている魔力の違いを持って魔力を感じ取ろうと試してみた。すると、これが上手くいった。


 魔石に内包する魔力の違いが分かり、そのお陰で魔力の感知も出来る様になったが、まだ魔石内の内包する魔力の正確な魔力量は分からない。


 それでも知識にある中で下級回復ポーションを作るのに必要な量の魔力を持つ魔石に近い魔石を選んだ。


 これで素材選びが終わった。


 最初に鍋に下級回復ポーションを1本作る分の量の水を用意しておく。


 それが終われば薬草系素材の葉脈を切り取って刻み、薬草系素材の葉と刻んだ葉脈を薬研に入れてすり潰していった。


 「これくらいかな。」


 ある程度、薬草系素材をすり潰しが終わると、次はすり潰した薬草系素材をすり潰した際に出た汁と一緒に鍋の中に入れて沸騰しない程度の火で煮込む。


 ゆっくりと鍋を掻き混ぜながら薬効成分が水の中に溶け出し切るのを待ちながら薬研を綺麗にしておく。


 そうして綺麗にした薬研に魔石を入れてすり潰す用意をしておいた。


 「これくらいだな。」


 薬効成分が出切ったと判断した段階で火を切って鍋を鍋敷きの上に置いて冷えるのを待ちながら、鍋の中のすり潰した薬草系素材を掬って捨てる。


 それが終われば、鍋が冷えるまでのその間に薬研で魔石を粒状になるまですり潰す事にした。


 硬い魔石をすり潰すのには時間が掛かったが、そのすり潰す時間の間に鍋の中の薬効成分が溶け出した水は冷えていく。


 そこに粒状にすり潰した魔石を鍋の中に投入し、鍋の中の薬効成分が溶け出した水に魔力が流れ出すのを待つ。


 粒状まですり潰した魔石は内包した魔力を外部に早く流失して行き、薬効成分が溶け出した水に溶け出していった。


 「あと少しだ。」


 粒状にすり潰した魔石の魔力が無くなったと判断した俺は漏斗を使って内部の粒状魔石が瓶の中に入らない様に濾しながら瓶の中に下級回復ポーションを入れていく。


 漏斗から流れ瓶の中に入っていく下級回復ポーションが流れ落ち無くなった段階で漏斗を取って瓶に蓋をした。


 これで下級回復ポーションの完成だ。


 「出来ました。」


 「手順は完璧でしたね。あとはその下級回復ポーションの品質を調べて基準に達していたら合格です。それでは調べますね。」


 受付嬢の女性が完成したばかりの下級回復ポーションの瓶を手に持って中を見始めた。


 何かしらの鑑定する様なスキルでも持っているのか、感じられる様になった魔力が受付嬢の女性の目に集まっている様な気がする。


 「品質も問題ないですね。合格です。これから薬師ギルドの一員としてよろしくお願いします、ノザキさん。」


 「よろしくお願いします。えっと……。」


 この人の名前を聞いてないから知らない。それを察したのか名乗ってくれた。


 「私はレイナです。」


 「ノザキ・ハルです。」


 そうしてお互いに名乗りあう事になった。


 片付けまでが調合だと言うこともあって調合に使用した道具を片付けて調合室を出る。

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