第4話
調合室に入ってすぐに下級回復ポーションを作るのに必要な道具の用意から始めた。
「道具はこれでよし。」
道具の用意が終われば下級回復ポーションを作り始める。
1本分の素材を準備して昨日と同じ手筈で素材の下処理を行なった。
そうして昨日と同じくらいの時間を掛けて1本の下級回復ポーションが作られる。
「残り4本を作って、残りで挑戦だな。」
俺は鍋を洗ってからまた下級回復ポーションを作る為の準備を行なった。
それから4本の下級回復ポーションを1本ずつ作成した。
そしてここからが挑戦だ。
今度は2本分の下級回復ポーションの素材を使って2本分の下級回復ポーションを作り始める。
鍋に入れる水も2倍、下処理をする薬草も2倍、薬草の薬効成分が溶け出す時間は変わらず、すり潰す魔石は2つを使う。
そうして2本分の下級回復ポーションが鍋の中にある。
あとは鍋の下級回復ポーションを瓶に詰めるだけ。
慎重に瓶の中に下級回復ポーションの液体を漏斗を使って入れて完成した。
「見た限りだと1本ずつで作った下級回復ポーションと変わらないな。」
2本分の素材で2本の下級回復ポーションを作ったが、1本ずつ作った下級回復ポーションと見た目は変わらない。
あとは下級回復ポーションの品質が同じくらいなら問題なく薬師ギルドに納品することが出来る。
次に挑戦するのは3本分の素材を使って3本の下級回復ポーションを作るのに挑戦する。
1本の時と2本の時とも同じ様に薬草の下処理から始まった下級回復ポーション作り。
順調に進み今は薬効を煮込んで抽出してきるところだ。
火の強さを気を付けながらも鍋の中をかき混ぜながら見続けて丁度いいタイミングで鍋の火を止めた。
そこからも下級回復ポーション作りは続いて行き、粒状になった魔石を入れるところまで問題なく進んでいく。
「ふぅー、あとは瓶に入れるだけ。」
溢さない様に慎重に漏斗に流して瓶の中に下級回復ポーションの液体を入れていった。
そうして3本の下級回復ポーションは完成した。
これで10本分の下級回復ポーションが完成して納品することが出来る様になった。
下級回復ポーションの入った瓶を仕切られている木箱の中に入れて持ち上げて薬師ギルドの受付に向かった。
「レイナさん。下級回復ポーションが出来たんで納品お願いします。」
「早いわね。鑑定してから買取金額を提示するわね。」
下級回復ポーションの入った木箱をレイナさんに渡すと、レイナさんが鑑定し終わるまで休憩する。
作った下級回復ポーションの品質がどうなのだろうか気にしながら待っているとレイナさんに呼ばれた。
「どうでしたか?」
「どれも品質に問題なかったわ。それでこれが納品した下級回復ポーションの買取価格ね。」
提示された金額は下級回復ポーションの素材の代金を考えても充分に元が取れる代金だった。
納品した下級回復ポーションの代金を受け取った俺は再び調合する為にレイナさんと別れて下級回復ポーションの素材を購入してから調合室の中に入った。
「あの鍋だと5本までだからな。次は4本分の下級回復ポーションを作ってから5本分に挑戦だ。」
4本分の下級回復ポーションの素材の下処理から行なった。
今日だけで10回は行なった薬草の下処理をスムーズで丁寧に済ませていく。
下級回復ポーションを作るのに重要な要素は薬草の下処理、薬効成分を水に溶け出す時の火加減と鍋の様子見、最後に魔石を均等な粒状にすること、だと思っている。
下処理した薬草を鍋に入れてしっかりと煎じてから火を止めて鍋を鍋敷きの上に置く。
あとは冷えるのを待ちながら魔石を粒状になるまですり潰していく。
すり潰した魔石から魔力が抜けて煎じた薬効成分が溶け込んだ水に染まるのを待つ。
そうして出来た下級回復ポーションを杓子を使いながら魔石や残っていた薬草の塵を濾して、漏斗を使って瓶の中に入れて4本分の下級回復ポーションは完成した。
「見た目は問題なさそうだ。」
瓶の中の下級回復ポーションを眺めて品質に問題ないと判断した。
あとは実際にレイナさんが調べて問題なければ合格だ。薬師ギルドに納品できる。
「最後だ。これで5本で作れるのが分かったら、今後は下級回復ポーションを5本で作っていこう。」
気合いを入れて、早速次の下級回復ポーションを作り始める。
5本分の下級回復ポーションの薬草の下処理を行なっていく。ここで葉脈を綺麗に取り除いて細かく切ることが重要だ。
薬研ですり潰した薬草を鍋の中に入れて沸騰しない様に気を付けながら鍋を回していく。
薬草の成分がしっかりと水に溶け込むまでしっかりと目視で確認しながら火を止めた。
魔石をゴリゴリと薬研ですり潰す。
粒状になっているのかをその都度確認しながらまたゴリゴリと薬研ですり潰す。
納得できるくらいに全体的に粒状になったと判断したら鍋の中に粒状魔石を入れて魔力が溶け込むのを待つ。
そうして5本分の下級回復ポーションを瓶詰めして完成だ。
これで9本分の下級回復ポーションが完成した。あとはこの下級回復ポーションの品質が問題ないかだけ。
早速レイナさんに納品の為に見せに行く。
「レイナさん、また納品お願いします。」
「分かったわ。それにしても早いわね。見せてくれる?」
下級回復ポーションの入った木箱を受付カウンターに置いて見てもらう。
「どうですか?」
「うん、問題ないわ。」
「良かった。」
5本分の下級回復ポーションも合格ラインの品質なら、これからは5本の下級回復ポーションを作っていこう。
「下級回復ポーションばかりだけど、他の薬は作らないの?ノザキさん。」
「他の薬ですか?でも俺が知ってる薬って下級回復ポーションだけなんですよね。」
ジョブスキルの薬師知識には道具をどうやって使えばいいかや、薬を作る際の火加減や素材の状態がどれくらいでいいのか、などを教えてくれるが薬のレシピは下級回復ポーションだけしかなかった。
だから他の薬のレシピを知るには薬師ギルドで購入するしかない。
「今のノザキさんのランクでも購入できるレシピはあるわ。どんなレシピがあるのか見てみる?」
「ん〜気になるけどやめておく。下級回復ポーションを作って薬作るのに慣れるのがいいと思うからさ。」
「そう?なら頑張ってね。」
俺はまだまだ下級回復ポーションを作る為に受付を離れて調合室に向かう。
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