第3話
4月22日
今日も私は元気に出勤したわ。
一昨日帰宅してから、彼のことが忘れられないの。
昨日なんてほとんど眠れなかったわ。
でも、それって素敵なことよね。
恋をすると眠れなくなるもの。
私って本当に乙女だわ。
昔から純粋だってよく言われるの。
鏡を見ながら髪を整えている時も。
制服に袖を通す時も。
「今日は彼、来るかしら」
そんなことばかり考えてしまった。
女だから仕方ないわよね。
彼のあの熱っぽい目を思い出すたびに、胸が苦しくなるの。
どのタイミングで、彼の想いに応えてあげようかしら。
あまり我慢させるのも可哀想だもの。
だけれど私、大勢から好かれているでしょう?
だからどうしても順番待ちになってしまうのよね。
困っちゃう。
彼だけ特別扱いしてあげようかしら。
ふふ。
内緒だけれど。
夕方。
彼は今日も来てくれた。
来ると思っていたわ。
だって恋人だもの。
今日は腕まくりをしていたの。
あんな立派な腕を見せつけてくるなんて。
私に見てほしかったのね。
本当に可愛い人。
彼はサンドイッチとサラダを持ってレジへ来た。
ガムも一緒に。
きっと口臭を気にしているのだと思う。
私と話す前だから。
そういうところ、誠実で好き。
それからレジ横のコーヒーも注文してくれたわ。
嬉しかった。
だってコーヒーでしょう?
昨日、私と同じで眠れなかったのよ。
夜中まで私を考えていたんだわ。
可哀想に。
私のことが好きすぎるのね。
でも安心して。
ちゃんと分かっているから。
あなたが私を愛していることくらい。
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