第19話 闇サイト

 兵頭に依頼をかけ詳しく調べて貰ったものの、金井自身が闇サイトを立ち上げているという証拠は見当たらなかった。


「兵頭さん、隠語についてはどうでした」

「柳田くん、一つだけヒットしたよ。おそらく君が求めている内容だとは思う」


 兵頭はそう言うと、柴犬のヘッダー画像を指差した。


「え、兵頭さん、これならただ単に柴犬じゃないですか。ははっ、柳田が求めてる『柴』はこれじゃないですって。隠語の『柴』ですよ」


 佐々木は手をひらひらと横に振った。


「まぁ、そう言わずに見てごらんよ」


 兵頭は白い歯を覗かせると、鍵のかかったサイトを見事に開き、投稿されている内容を佐々木に示した。


「ん? 柴っこ特集? は? これのどこがっ⁉︎」

「ヘッダー画像だけ見ているとね、犬好きの投稿かと思うんだけど、中身は相当なもんだよ」


 このサイトでは『柴っこ』特集として、可愛い女子高生を隠し撮りしたものを載せていた。


「うわ、この子もあの子も八重歯があるっ‼︎‼︎ な、なぁ柳田っ」

「そうですね、やはり『柴』は八重歯を示している隠語なのでしょう。あの、兵頭さん、このサイトの製作者と金井さんとの間にやり取りはありそうでしたか?」


 柳田が兵頭に問いかけた。


「いや、このサイト上でのやり取りは見当たらなかったよ。不自然に削除した形跡も無かった。まぁガイシャはそこそこな有名人だからね、念には念を入れて動いていてもおかしくはないと思うけど」


 佐々木も柳田も、異議なしと言わんばかりに頷いた。


「ちなみにだが、随分と“いいね”のリアクションをしてる奴がいるな。ほら、こいつ」


 兵頭は@ロリオというアカウント名を指差した。

 

「もう少し時間を貰えるなら、こいつのIPアドレスやプロバイダを特定してどこから発信されていたのか割り出すけど」

「是非お願いします」


 柳田は兵頭のスマートな行動に感銘しながら、深々と頭を下げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る