概要
恋の終わりに必要だったのは、涙ではなく、決裁印だった。
王太子殿下、請求書ではございません。
ただの、正確な引継報告書です。
伯爵令嬢リディア・クラウゼンは、王太子レオンハルトの婚約者であり、王太子府儀典日程室の主任調整官代理でもある。
王太子は、病弱な幼馴染セラフィーナを何よりも優先する。
大切な観劇公務も。
隣国大使夫妻との会談も。
王妃陛下との打ち合わせも。
婚約者であるリディアとの約束も。
そのたびに王太子は言った。
「君はしっかりしている」
「君なら分かってくれる」
「少しは僕の都合も考えてくれ」
だからリディアは、三十八回、黙って王宮を回した。
代理出席の手配をし、外交上の失礼を詫び、予定を組み直し、追加費用を仮払いし、誰にも王太子の失態を悟らせないようにしてきた。
けれど三十九回目。
隣国大使夫妻をもてなす観劇の朝
ただの、正確な引継報告書です。
伯爵令嬢リディア・クラウゼンは、王太子レオンハルトの婚約者であり、王太子府儀典日程室の主任調整官代理でもある。
王太子は、病弱な幼馴染セラフィーナを何よりも優先する。
大切な観劇公務も。
隣国大使夫妻との会談も。
王妃陛下との打ち合わせも。
婚約者であるリディアとの約束も。
そのたびに王太子は言った。
「君はしっかりしている」
「君なら分かってくれる」
「少しは僕の都合も考えてくれ」
だからリディアは、三十八回、黙って王宮を回した。
代理出席の手配をし、外交上の失礼を詫び、予定を組み直し、追加費用を仮払いし、誰にも王太子の失態を悟らせないようにしてきた。
けれど三十九回目。
隣国大使夫妻をもてなす観劇の朝
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