第3話再会(1)

 ゴツンと頭を岩にぶつけて目を覚ました。

外は雨が降っていて、やはりこの洞穴に隠れてよかったと思った。洞穴の雨漏りしているところに水たまりができていた。覗き込むと目の腫れた自分が写っている。とてもひどい顔だ。昨日、洞穴についた後涙が出てきて止まらなかった。ローリエと二人で泣いて、そのまま寝落ちしたんだと気づいた。

「うぅん…あれ、ここ…」

隣で寝ていたローリエが目を覚ました。同じ様に赤く腫れた目をこすっている。

「ごめん、起こしちゃった?」

「いや、イリスは悪くないよ。こんな岩に囲まれた場所じゃぐっすり寝れないから」

彼女の言う通り、私もあまり眠れたとは言えない。今後の動きに支障が出なければいいけど…まぁ、この先どうするのかを決めているわけではないが。

「これからどうしようか…」

ローリエが口にする。どうやら同じ事を考えていた様だ。

「そうだよね、まずは―」

ぐぅ〜。……。

「ご飯をなんとかしなきゃね」


 「持ってるものはこれで全部かな」

村を出るときに村長さんにもらったパンと水、少しの硬貨と護身用に持たされているナイフ…他にも、物を入れれる袋や、怪我をした場合の薬などとりあえず持っているものを地面に並べる。

「ご飯はこのパンと水を少しづつ消費するとしても、2日もつかも怪しいよね」

元々これは、昼食のために渡されたものだから量が少なくて当然だ。たまたま、買い出しが早く終わり、お昼は少し遅くても帰って食べようと思って、そのまま残っていたのだ。それだけでも幸運だろう。

「後は、山で食料調達するしかないか〜。任せて、イリス。あたし食べれる木の実とかキノコいっぱい知ってるから!」

この子のこの自信はどこから来るのかとよく思うが、こういう時は頼りになる。実際、村で一番博識なのはローリエなのである。一緒にいてくれるのは心強い。

「食料はなんとかなりそうだね。他の問題は…いつまでここに隠れられるかかな」

「きっといつかは、気づかれるよね。新しい隠れ場所を探したいけどそれはそれであいつらに見つかる危険があるし」

「どうするかな…」

すると「あっ!」とローリエが何かに気がつき声を上げた。

「他の子達と連絡を取るのはどう?」

「他の子達?…ってもしかして」

「あたし達以外のだよ!あの時、イリスは呆然としてたから、見てないかもだけど、あたしは何人か逃げた子達見かけたよ」

少し考えれば分かるのに、生き残りがいるという事を全く考えていなかった。たしかにそれなら誰が生きていてどうな状況下にいるのか把握できる。

「早速準備しよう!紙と鉛筆が確かあったよね?」

「うん。書くものはこれでいいけど、届けるにはが必要だよね。近くにいるかな?」

「一か八かかけるしかないでしょ!夜を待とう」

ただ待つだけじゃなくてできることをしとかないと。夜が待ち遠しい。



 そして夜になり、洞穴の中から私は笛を吹いた。この時間帯なら梟の活動は活発だ。

そう、私達は連絡を取り合う時に梟を使うのだ。この笛は特殊で梟の鳴き声と似ている。これなら、魔女裁判会クロウスに気づかれることもない。しばらくして一羽の梟がやってきた。

「久しぶりだね、エルマ。この紙を皆に届けて」

ホーホーと返事をする様に鳴いてから、足に結んだ紙と共に闇に消えていく。エルマは私とローリエの、詳しく言えば両親の代からの梟だ。しばらく会っていなかったが、元気そうで何よりだ。他の仲間も元気にしているだろうか?早く手紙が届くことをイリスは心から願い、今日のところは眠りについた。


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