第三十九話 それぞれの想い、繋がる絆

YOROI〜ヨロイ〜


第三十九話 それぞれの想い、繋がる絆


新宿・FIRE GYM。


閉鎖されたジム。


かつては多くの人々で賑わっていたその場所も、

今では静まり返っている。


琉火は、

誰もいない空間で、

誰も使わなくなった機器へそっと触れる。


琉火

「ちょっと前の事なのに……

何だか懐かしく感じる……」


脳裏を過るのは――


ここ最近の戦い。


シュラ軍。


四羅将。


そして、

凛子。


琉火

「YOROI戦士(ツワモノ)として、

まだまだやらなきゃいけない事がある……」


「じゃなきゃ、

元の平和な街は戻らないわ。」


傍らには火狼の姿もあった。


火狼

「そうだ。」


「前にも話したが、

YOROI戦士は誰もがなれるわけではない。」


琉火

「うん。

今は何となくわかる気がする。」


火狼

「それでいい。」


⸻


新宿・野久保病院。


――だった場所。


今はもう、

病院として機能していない。


誰もいないはずのそこに、

有水の姿があった。


有水

「良かった……

電源は生きてたわ。」


有水は、

かつて自分が使っていた医師室へ入る。


有水

「自前のPCより、

会社のPCよね。」


「無茶も効くし……」


その時――


視線を感じる。


有水

「……誰?」


そこにいたのは――


元院長・野久保寿明。


有水

「……院長!」


即座に立ち上がり、構えを取る有水。


寿明

「そう、

構えないでくれ。」


「もう正気だ。」


かつて、

シュラの手に堕ちていた頃の雰囲気は消え失せている。


今そこにいるのは、

穏やかで清廉な壮年男性だった。


寿明

「龍野君……

もう病院へ戻ってくる気は?」


「とは言え、

今はここも病院とは言えないが……」


有水

「申し訳ございません。

今はまだ……」


寿明

「私もこれで歳は重ねてるからね……」


「何か背負ってる感じだね。」


寿明は、

“無理に話さなくていい”


そう言う様に、

静かに首を振る。


寿明

「倉庫を整理していたら、

こんな物を見つけてね。」


「今の君に、

役立つ物だったら……」


そこにあったのは――


一冊の古い書物。


有水

「……こ、これは……?」


⸻


華苑神宮・台所。


彩華――


何と、

エプロン姿である。


彩華

「……ほらよ!」


テーブルへ置かれたのは、

オムライス。


しかも、

ケチャップでしっかり絵まで描かれている。


風美香は、

目を丸くする。


風美香

「か、監督……

意外過ぎて言葉にならないんだけど……」


彩華は、

一気に顔を真っ赤にする。


そして、

か細い声で――


彩華

「い、一応……

女だからよ……

は、はな……」


風美香

「えっ?

何?

聞こえないよ?」


耳を傾ける風美香。


すると彩華は、

突然大声で叫ぶ。


彩華

「い、言えねー!!

花嫁修行なんて絶対言えねー!!」


風美香は、

ニヤリと笑う。


風美香

「へー、オモロ。」


彩華は、

完全にモジモジしている。


風美香

「彩華って…結構乙女じゃん!」


彩華は、

ちゃんかちゃんかしている。


風美香

「食べ終わったらさー、

女子会でもする?」


彩華

「………!!」


彩華は、

目を輝かせながら、

連続で頷く。


⸻


が、しかし…


華苑神宮・広場。


彩華

「……これが女子会?」


風美香

「ま、ま、

だって前に言ったじゃん!

特訓しよってさ!」


「それに今、

店なんてほとんどやってないって。」


彩華は、

どこか腑に落ちない表情だ。


彩華

「で?

何の特訓だよ?」


風美香

「さすが、彩華。」


「あのさ、

ちょっと思ったんだけどさ。」


彩華

「なんだよ?」


風美香

「変化球が必要かなってさ。」


彩華

「は?

何の話だ?」


風美香

「特訓!」


彩華

「んな事はわかってんだよ!」


風美香

「要するに……」


彩華

「……」


彩華は、

風美香の次の言葉を待つ。


風美香

「彩華、

あたしのハイウインド・グリーンわかるわよね?」


彩華

「あぁ。

ジャンプして降りてくるやつだろ?」


風美香

「……簡単に言ってくれるわね……」


彩華

「だから、

さっきから何が言いてぇんだよ。」


風美香

「彩華が今言ったみたいに、

あたし達って動きが相手に読まれやすいのよ。」


「琉火も直線導線だし、

有水姉の弓も軌道は直線。」


「あんたくらいじゃない?

広範囲というか、

直線以外の攻撃法があるのって。」


彩華

「あー……

確かに言われてみればな……

で?」


風美香

「あたしがジャンプしたら……

彩華、

落下地点に入ってほしいんだ。」


彩華

「んあ?

おめー、

俺をコロス気かぁ?」


風美香

「違うって。」


「あたしが飛んで降りて来るでしょ?」


彩華

「……」


風美香

「でも、

相手も大体どこに来るかわかるわけじゃない?」


彩華

「まあ、

確かに……」


風美香

「あたしはいつものようにジャンプする……

でも、

そのまま降りてくるけど、

それはFAKE。」


彩華

「……」


風美香

「着地する直前に、

盾をあたしの方向へ投げて。」


彩華

「もしかしてよー……」


風美香は、

フフッと笑う。


風美香

「彩華の盾を足場にして、

別方向へ反動させる事が出来れば、

直線は変わらないけど、

タイミングは大分変わるから、

バランスは崩せるでしょ?」


彩華

「へぇ……

何も考えてない訳じゃないんだな。」


風美香

「何それ?

褒めてんの?

disってんの?」


彩華

「さぁな。」


だが、

彩華の表情は完全に前者だった。


彩華

「でもよ、

良く思いついたよな。

そんな事。」


風美香

「うん。」


「前の凛子戦。

あの後に、

彩華の盾、違う使い方出来ないかってさ」


「それに……」


彩華

「?

それに?」


風美香

「琉火には負けたくないじゃない?」


「みんなして、

あたし達のこと、

直線バカみたいに思ってない?」


彩華は、

思わず吹き出す。


風美香

「あー、

やっぱ……」


彩華

「いや、

思ってねーよ……

けど……」


その時――


有水が姿を現す。


有水

「五十歩百歩ってとこね。」


風美香

「有水姉!」


彩華

「似たもの同士だしな!」


彩華は、

もう堪えきれず笑っている。


風美香

「……何だよ、

有水姉まで。」


有水

「いいえ、

ごめんなさい。」


「でも確かに、

風美香の言う通り。」


「凛子もだけど、

あの四羅将達に対抗するには、

今のままではダメだわ。」


「琉火も含め、

私達全員ね。」


有水、

風美香、

彩華の表情が引き締まる。


有水

「特訓するんでしょ?」


そう言うと、

有水は再び歩き出す。


彩華

「有水姉、

どこ行くんだ?」


風美香

「一緒に特訓する?」


有水は、

静かに首を振る。


有水

「遠慮するわ。」


「私は私で、

何かを掴むわ。」


風美香

「……有水姉も負けず嫌いだね。」


彩華

「つーか、

このチーム、

負けず嫌いしかいねぇだろ。」


風美香

「あっ、

確かに。」


その時――


琉火

「なーに?

何か楽しそうじゃない?」


三人が振り向く。


琉火

「どーせ、

アタシが直線バカとか、

また話してたんでしょ?」


その瞬間――


有水、風美香、彩華の三人は、

一気に吹き出す。


琉火

「何よ!

風美香、

アンタだって似たようなもんよ!?」


風美香は、

チッチッチと指を振る。


風美香

「そんな事ないわよねー、

彩華。」


そう言いながら、

彩華へ肩を組む。


彩華は、

やれやれといった様子でジェスチャーする。


有水

「だから、

五十歩百歩よ。」


琉火

「何よぅ?」


風美香

「でも、琉火。

スッキリしてんじゃん!

何か掴んだ?」


琉火

「まぁね。」


そう言うと、

今度は琉火と風美香がハイタッチ。


琉火

「直線には直線の……」


風美香

「やり方があんのよ!」


琉火、風美香

「ねー。」


有水と彩華は、

互いを見てフッと笑う。


その様子を、

少し離れた場所から見ていた導厳と麒麟。


麒麟

「どんどん成長するわね。

あの四人。」


導厳

「……ワシらに比べたらまだまだ……」


麒麟

「それ以上言うと、

老害になるわよ。」


導厳は、

「おっと!」

という表情を浮かべる。


だが――


導厳

「頼もしい限りじゃ……

じゃが、シュラはまだ……」


麒麟

「わかってるわ。

凛子よね……」



深まる絆と共に、YOROI戦士(ツワモノ)達は、再び走り始める。




※本作はAIアシスタントの助言を受けつつ、作者自身の手で執筆しています。(世界観・物語は全て作者オリジナルです)

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