概要
聖女の祈りは命を救い、記憶を奪う。
灰が降り続ける世界で、聖女候補リリア・クレストは、灰蝕症(かいしょくしょう)に苦しむ人々を救うために祈りを捧げていた。けれど彼女の浄化は、呪いを祓う代わりに人の大切な記憶や感情まで削ってしまう。救ったはずの少女が、亡き母の顔を思い出せなくなったと知ったとき、リリアの中で教会の教える「正しい救い」が揺らぎ始める。そんな彼女の前に現れたのは、教会から災厄の元凶として追われる魔女エルゼ。人を救う聖女と人に恐れられる魔女。本来なら敵同士である二人は、ある事件をきっかけに共に逃げることになる。さらに、灰の匂いを追ってきた謎の小動物モルも加わり、二人と一匹の旅が始まった。リリアは旅の中でエルゼの力が「壊す力」ではなく、苦しみを背負う力だと知る。聖女の祈りと魔女の力。違う形で誰かを救おうとする二人は、やが