コンビニのプリンという些細な日常の断片から、遠大な神話の解体と再構築へ至る筆運びの緻密さに圧倒されました。
完全無欠の神々に対峙する人間たちの泥臭い足掻きや、システムでありながら感情の揺らぎを抱えていく者たちの姿が、どこまでも生々しく胸を打ちます。
「愛しているから神にした」という狂気じみた親子の因果を越え、縛るのではなく祈ることを選んだ宗司たちの答えは、過酷な物語の果てに静かな光を残してくれました。
全百五十話という長大な道のりを、破綻なく張り巡らされたロジックと熱い祈りで走り抜けた、重厚で美しい現代神話の作品です。