最初は、地下鉄に乗っている18歳の青年の日常を淡々と描いているだけに見える。
不登校、引きこもりだった過去。
周囲の人間を観察しながら、「こういうところが迷惑なんだよな」と心の中で延々と考えている主人公。
正直、最初はちょっと面倒くさい奴だなと思いました(笑)。
でも、読み進めるほどに、その「面倒くささ」がただの性格描写じゃないことが分かってくる。
そして最後。
それまで読んできた主人公の言葉や行動の意味が一気に反転する。
「ああ、そういうことだったのか」と。
短編なのでサクッと読めるのに、読み終わったあとにもう一度最初から読み返したくなるタイプの作品です。
地下鉄という何気ない日常の空間が、こんなに不気味な場所になるとは。
短いですが、最後まで読んでから評価してほしい作品です。