作品を満たす静謐さとその色に溺れてしまいそうになります。そして二人はどこまでも透明で、その儚さと清らかさに胸が痛くなります。この胸の痛みは嫌なものではなく、そう恋に似ているのでしょう。「押しやられる」「弾かれる」「永遠の距離」。愛する人との隔絶もまた絶望的なほど美しく、それにただ読者は嘆息するのでした。 でも、この二人が妖精だったとしてもおかしくなかったところ、終盤に生命が宿ります。普通の体温があって、恋と離れた「生きる」ということがあって。明日はきっといいことあるよ、と声をかけてあげたくなるお話でした。
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