途中までは、詩織がやけに何か言いたそうにしているのに、なかなか何も言わずにいるのが、ムズムズしつつ、普通の青春恋愛小説として読んでいました。そして、高校卒業でほろ苦い感じで終わる。──が、しかし……!その後の、すっかり大人になった道隆のとある行動が、とある不思議な現象となって、そこから、過去の詩織の行動の意味がわかり、さらに切ない秘密がわかって、構造的にもお話的にもすごく魅せられました。もしあの時、お互いに……いや、どちらかがひとこと言えていたら、違っていたのに。
一枚の写真が時間を巡って、二人のすれ違いをつなぐ構成が印象的でした。
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