野球で培った経験が、そのまま異世界での戦う力になるという発想が面白かったです。
ストレートやスイングなど、野球の動きがそのまま魔法や攻撃につながるので設定が分かりやすく、テンポよく最後まで読むことができました。
万年補欠だった主人公が、異世界で誰かに必要とされることで少しずつ自信を取り戻していく流れも綺麗でした。
一方で、盗賊を倒すたびに命を奪うことへの葛藤が繰り返される部分は、少し同じ心理描写が続く印象もありました。
それでも、異世界での経験を現実での一歩につなげて終わる構成は気持ちよく、読みやすい作品でした。
高校3年間、一度も公式戦に出場できなかった万年補欠の野球部員・府中京平。最後の部内戦でデッドボールを受け、気を失った彼が目を覚ますと、そこは魔法が存在する異世界でした!
本作の面白さは、なんといっても「野球の動きがそのまま魔法になる」というユニークな設定です。投球フォームから繰り出されるストレート(火球)や変化球(風の刃)、そして素振りから生まれる光の斬撃を駆使し、京平は村を脅かす山賊たちに立ち向かいます。「投打二刀流」で無双する爽快感と、3年間ベンチから試合を見つめ続けた彼だからこそ培われた観察眼や間合いの取り方が戦闘に活かされる展開が熱いです!
村の少女シルウィルとの心温まる交流や、彼女から贈られたミサンガにまつわるエピソード、そして現実世界への帰還を描いたラストの爽やかな余韻も魅力的です。万年補欠だった少年が異世界で「MVP」の活躍を見せる、痛快で感動的な青春スポーツ×異世界ファンタジー。短編でサクッと読めるので、ぜひおすすめしたい作品です!