第4話



【『リベンジ・オブ・クエスト』裏センカエンディング 攻略チャート】


1.オープニングが始まります。家の中は移動できるので、台所へ向かいましょう。


2.開始約2分24秒後、王国にウラスが侵入します。


3.街の人から話をきき、主人公の母を探します。情報を持っているNPCの他に、アイテムをくれるNPC、慌てふためくだけのNPCがランダムに配置されています。


4.母は商店か教会のどちらかにいるので、近づきます。


5.母を倒します。周囲の人に見つかるとゲームオーバーなので、人ごみに紛れて襲いましょう。


6.見つからないように街に火を放ち、被害を拡大させると、ウラス戦(負けイベ)を回避できます。


7.通常ルート同様に、王国を旅立ちます。


8.エリア1を迂回し『焦げたクレーター』に入ると、弱ったゴブリンの群れと戦闘できます。レベル上げしておきましょう。


9.エリア2のボス部屋の前にいるモンスターを倒すと、「春雷の腕飾り」が手に入ります。中盤までの必須アイテムなので、回収して裏ゴールからエリア5へ行きましょう。


16.エリア8のボス部屋で3回ずつロードを繰り返すことで、「業刃の柄」「ウラスの手記」「タルタロへの手紙」が手に入ります。


17.魔王城に侵入し、魔王を倒しましょう。討伐がゲーム開始から40分以内であれば、『センカエンディング』へ進みます。




第四話

「いやそんな…いくら何でも早すぎる…」


センカは感情と言葉を見失ったまま、『業爪のオミオン』に担がれ海上を飛んでいた。


「お主がそう思うのも無理はない。魔王は何者にも敵わぬと儂も高をくくっていた」


「ボクも戦ったけどサ、人間様には始めっから勝てなかったんだ~って身をもってわかったサ」


「おめでとさん。アンタの国の勝利だ」


「朝になる頃にはああああ様のいる魔王城にいるだろうから」


海を渡り、山を拓き、大陸を横切る中で、魔王派の残党と思われるモンスターが姫に襲いかかったが、5人の幹部は一切意に介さずに次々に一掃する。


「今のもさ、魔王軍の仲間だったんじゃないの…?」


「胸は痛むサ」


「されど今の我らが主君は勇者ただ一人。剝かれた牙には容赦はしない」




【『リベンジ・オブ・クエスト』裏センカエンディング 攻略チャート】


20.コマンド『使役』が使用可能となり、5体のエリアボスが仲間になります。センカの生け捕りを命令しましょう。


21.10分間待ち時間を要するため、『魔王の寝室』を探索し、棚から装備を手に入れておきます。




「勇者に会ったら…私、何をされるのかしら」


センカの質問は小さなシャボン玉のような独り言になって、業爪の斬撃音らと共に遠のいていった。


「ウラスは…あなたたちはどうするの?」


「そんなにアイツにご執心かい」


オミオンの返事は唐突だった。あらかじめ、その問いかけにしか答えないと心に決めていたのかと疑うほど機敏に、返事をした。

返り血を振り払いながら、一行は森のエリアを抜けた。

魔王城が見下ろす山脈を包むように禍々しい暗雲と無数の紫電が駆ける、最終エリア『ウゴノエデン』に突入した。


「ウラスもタルタロも、抵抗しなけりゃよかったのにネ」


「いやいやいやぁ、ああしてよかったんだよー。あの二人は特に魔王様を慕ってたから、すぐ会わせたほうがいいっしょ」


「…心にもないことは申すな。乱心がうかがえるぞ、マーラ」


山脈に入るまで空中で続く、センカが本来耳を傾ける必要のない会話。聞いたところで、自身の未来には一切関与するはずのない、ただ後味の悪さが強まるだけの会話。幹部の心中を思っても、魔王への忠誠からタルタロが勇者に背いた事実も、唯一の家族に本心を伝えられなかったウラスの傷も、なかったことになるものではないと、センカは飲み込もうとした。

勇者は魔王を下し、自分を王国に戻したのち、残党を統治し一つの歴史は幕を下ろすのだろうと。


「ここから山を登る。歩けるよな」


オミオンはセンカを降ろすと、5人は揃って下を向き大きく息をついた。


「その前に」


センカは幹部を横目に、雲の端の青さに目をやった。


「少し寄り道してもいい…?」


センカのその一言は、確かに飲み込んだはずのその一言は、何者にも作用されていない、自らの言葉だった。


「は?いいわけないだろ、大人しくついてこい」


「…お願い。私やっぱりあなたたちみたいに割り切れないの。お願いします。…お願いします」


今出ているこの声も、ゴブリンの前にいたときのように震える手も、首筋にかかる首飾りの重みも、まだ腰に残るハンモックの的外れの平衡感覚も、理由はわからないが彼らには持っていない記憶だと、確信が足を後方に押し込む。




【『リベンジ・オブ・クエスト』裏センカエンディング 攻略チャート】


24.センカがボスの手をほどき脱走します。『使役』からセンカを追わせましょう。




「よぉく持ちこたえてくれたわぁ!」


デミグルムが砦でも聞いたことのない重い声でセンカを称えつつ放った奥義『業腕破曇』は、追う幹部の行く先の大地に深く亀裂をつくった。


「デミちゃん…!」


無数の木々が空高く跳ね上がり、無地の地層が5人を持ち上げる。


「とにかく走りなさいセンカちゃん!安心して私は当然魔王派よ!」


すぐさま盛り上がった地は、『業眼』『業毛』『業爪』『業牙』『業涙』の一撃によって、デミグルムもろとも潰された。


「ほんとなら魔王派って敵視するべき言葉な気がするけど…ありがとうデミちゃんっ!」


起き上がった巨体は5人を抱擁するも、その体の厚さを優に貫く光線の眩さは走るセンカの進行方向に濃い影を落とす。


「ウラスちゃんはまだ島ぁっっ!?」


滝のような血しぶきと共にセンカの頭上をかすめ業腕は吹き飛ばされた。


「デミち…っ!…多分ウラスはまだ島に!」


二人からウラスの言葉を聞いたエリアのモンスターがすぐに集まっていき、デミグルムの身体を起こし、センカの道を開き、追うオミオンたちを取り囲む。


「ならっ!よかった!森を抜けたら砲台と門番のあの子がいるからっ!それでショトカして!」


煩わしく思った5人はそれぞれの奥義を放つべく、個々のオーラを自身の一点に集める。


「…それとねセンカちゃん!私、ぎりぎりまで迷ってた!けど、よかった…!」


先ほどの光線と比較にならないエネルギーによって、辺りは巨大な円形の波を起こす。


「何て!?デミちゃん何て!?」


モンスターが指さす先で、センカは森の出口を見つけた。


「センカちゃん…何かに抗っているあなたが見えて…とても利口なんかじゃないけど、私は、それで合ってるんだと思えたの!」


デミグルムはそう言い残し猛然と5人の元へ飛び掛かる。血に塗れた体全体で、地鳴りをせき止めながら、モンスターたちと共に覆いかぶさった。


「デミグルムさ、自分でもわかんだろ?長いモンには巻かれるべきだって…。こんなボロ雑巾なままで、俺らの奥義が防げると?」


すぐに燃え滾る業爪がデミグルムの眉間を白く焦がす。デミグルムの口角が裂けるほど垂直に持ち上がる。


「お生憎ね…ハナからこれしか考えてないわ」


デミグルムの最期の一撃は、自身の体躯がすっぽり収まる深い奈落をつくった。




【『リベンジ・オブ・クエスト』裏センカエンディング 攻略チャート】


25.追う最中に『業腕のデミグルム』が立ちふさがります。これによりエリアボス5人と共倒れになり、『使役』は使えなくなります。




「デミちゃん…」


混濁したそれぞれの奥義はエリアひとつを楽々と消し炭にさせ、センカの後ろ髪を少し焦がした。


センカは焼けるような肺を押さえて前に進みながら、崩落した岩窟の端に懐かしい砲台を見つけた。

門番に会い、手当されながらウラスの事情、デミグルムの雄姿、各エリアの情勢など互いの知っていることを話した。門番の左腕は勇者に切り落とされていた。口数は自然と減った。門番に砲台に詰め込まれるころにはもう口は開かなくなった。


「何かに抗っているあなたが見えて…!」

「それで合ってるんだと思えたの…!」


どこまでも続く振り切れない曇天を飛行する最中も、デミグルムの清々しい遺言は脳裏で何度も繰り返された。涙は汗と共にもう乾いたのか、荒み切った大気に揉まれもう涙と呼べなくなったのか。全身の痛みは半濁な慟哭に上書きされていく感覚だけを、センカは真顔で垂れ流した。


厚い雲を抜け、転々と火に照らされた島が見えた。

着地点に張られた魔法陣から上向きの重力波が働き、センカを優しく受け止める。重力波に巻き込まれたペンダントが、センカの厳重な内ポケットから飛び出した。


晩夏のような静けさの警報が瓦礫の下から聞こえる。溶岩は一晩かけて火山の山頂から緩やかな傾斜をつくり、潮風にあてられて黒く固まっていた。

街の残り僅かな雑踏も次第に耳から遠のいてくると、ウラスを探すのは少しだけ楽になった。一面の火成岩をボロボロの靴で蹴っていく。

風の向きと火山の位置を頼りに、潰れた島をまっすぐ進む。タワー最上階から噴石で撃ち落とされたボス部屋も途中横切ったが、ウラスはいなかった。


昨夜私がウラスからボスたちへ引き渡された場所からあまり動いていないかと思っていたが、案の定、捜索から1時間ほどで彼を見つけた。


ウラスは昨日の場所の周りを歩いては、足元の小さな何かを見つけると愛おしそうに拾っていた。さらに近づくと、それは散り散りになったタルタロの羽根だった。


「お…センカ戻ってきたのか。お前も…拾ってくれ。弟なんだ」


足元の羽根を拾って、丸めたウラスの翼の内側に敷き詰める。薄く黒い両翼はたおやかに、雲のような柔らかい白を包んでいた。


「まだマグマで焼けていない…タロの、タロが…まだいるんだ」


ウラスの手は溶岩を殴り続けていたのか、手首から折れ曲がっている。回復させる気力も魔力も底をつき、指が何本か溶けて繋がっている。

センカは顔色を変えず、足元の羽毛を拾って、ウラスの翼に突っ込んだ。


「優しく、頼む」


黙々と、羽根を集めた。一枚、二枚、三枚、センカは早々に数えるのを止めた。


いつまで続くのだろうか。

日が暮れるまでか。

勇者が次の刺客を送ってくるまでか。

ウラスが眠るまでか。

羽根を集めきるまでか。

タルタロが、戻って来るまでか。


センカは考えては流した。


もう何時間過ぎたのかわからない。

突風が吹いた。弱ったウラスの翼を裏返し、二人には追いつけない速さで羽毛を運んでいく突風が。


センカは必死に追いかけた。デミグルムが仕立ててくれた靴は火成岩の足場の悪さに外れ、滅茶苦茶な体勢で荒ぶるペンダントは顔面を何度も叩きつけ、ウラスが癒した腕の傷は転んだ拍子に広がった。

ウラスは立ち尽くした。焼け野原に散る弟を見て、立ち尽くした。弟にどんどん突き放されるセンカを見て、立ち尽くした。センカからセンカだけでなくデミグルムの血のにおいがしたので、立ち尽くした。


また一人だけになって数分後、ウラスは横になった。




*…背中から岩の固さがわかるが、不思議と痛覚はない。

*ずっと曇り空だったと今気づいた。


*「あの雲の先に、誰かいるのだろうか」

*我ながら子供じみた疑問だ。

*魔王軍で修行して手に入れた俺の翼は、弟とは違って薄くて弱く、攻撃されたらかなり痛いから強敵と戦うときは一度ノックダウンされるまで温存しているんだけど、まあ、満足には飛べる。飛べるようになっても、こんな子供じみた疑問を抱く。


*弟はついさっき、空に飛んで行ってしまった。いつもの俺なら、空に用があればどこへでもすぐに飛んで手短に済ますもんだが、今はどうも腰が重いな。

*それに、今このまま飛んで行っても、多分弟はいない。聞いたことはないけどもうひとつ別の種類の空が実は存在していて、弟はそっちに行ってしまった気がしている。


泥と血だらけの羽根を2本握りしめて、センカはウラスの元に戻ってきた。

斜陽が射すウラスの耳元で、センカはしきりに言葉を吐く。しかし、ウラスの鼓膜はとうに破れている。


*でもそう大変なことじゃない。今の俺なら余裕で行ける。今だから、いける気がする。

*…あ、センカいたのか。なんだ?なに大口でモゴモゴ喋ってんだ?気色悪い。


「ふふ。あなたの性根の方がよっぽど気色悪いわ…。お願いだから今は休んでこのブラコン。」


*ああ?…まいいかよく聞こえてないけど。大した事言ってないだろどうせ。

*俺は弟のとこに行くんだよ。せっかく会えそうだったのに邪魔が入ったからな。ああ、お前が悪く思うことはないぞ。


センカは腰を上げた。

「夜になる前に、なにか物資探してくるね。治療薬とかもあるかも」


*おいおい何いきなり立ち上がってんだよ。お前も手伝ってくれたから疲れたろ、座ってな。


「大丈夫。それと私、いま捕虜でもなくなっちゃったんだよね。じゃあ何かって聞かれたら…それもわかんない。じゃあすぐに戻るわ!」


*ああ、おいおい!


「…いいから休んでてね。お願い」


*お前にはいてもらわなきゃ困るんだよ。今さ、俺あんまり動けないから。


「だから動かなくていいって」


*遠くまで離れられると、追いかけられないだろ。




*お前は、弟に会うために必要なんだから。




ウラスはゆっくりと身体を起こす。


「ウラス…今なんて?弟に会うため?なんのこと?」


一歩、一歩とセンカに向かって足を前に押し出す。全身の皮膚は瓦のようにめきめきと剝がれ落ち、その下から猛々しいオーラを練り込んだような皮膜が表れる。


*そう大変なことじゃなかったんだ。今なら、お前をこうすれば、俺は家族のところに行ける。


最後にツノの皮膚が剝けると、一段と煌々とした「業刃天開」を圧縮させたような一刀となった。


「な…っウラスその姿、何?…来ないでっ!止まって!」


*あーやっぱ怯えちゃった。怖いのはわかってるって。だからできるだけ痛くないようにするから。これしかないんだ。俺が行く道は。


業刃のツノは星に届きそうな勢いで伸びると、じりじりとセンカに向かって振り下ろされた。


*これしかないんだ。




センカに迫りくる業刃は、凛々しい重音と聖剣によって受け止められた。

弾け飛ぶ火花の閃光で形作られる後ろ姿には、まごうことなきフィクシジス王国の紋章が刻まれている。

こうして、勇者ああああは迫りくる魔の手から姫の一命を取りとめた。


「レベリングギリギリで来れた…いややっぱどうかしてるってできるかこんなもん!」


「勇者、様?…いやそれよりウラスは」


唖然としたセンカの呼びかけに応じることはなく、勇者は魔物の刃を押し込みそのまま空に舞い上がる。


「ウラスなの?あれは…」


センカの声に呼応するように、さらに形態を変化させ続けるウラスは、これまでの衰弱が噓のように高笑いして叫ぶ。




「我が名は我は魔王様の一の腹心、業刃のウラス!よくぞ来た勇者よ!弟と主への黄泉の手向けに貴様の首はちょうどいい!それと名誉と人道を重んじる勇敢な勇者ならば、こういう大事な時に駆けつけてくれると信じていたぞ!くれぐれも全力でかかってこいっ!」






【『リベンジ・オブ・クエスト』裏センカエンディング 攻略チャート】


27.イベント後、20分00秒以内にレベルを200以上まで上げておきます。


28.クリア後解放される『遺恨残るキラミ島』に入ると、ウラスがセンカを襲っているので、防いでそのまま戦闘となります。




29.最終裏ボス ウラス(思念体)戦となります。最難関となりますので、持てるすべてを出し切って勝利してください。




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