中古スマホという現代的な題材から始まる導入が非常に引き込まれます。「視覚が乗っ取られる」という発想が秀逸で、じわじわと恐怖が広がっていく構成が印象的でした。現実と異常の境界が曖昧になっていく描写が巧みで、不安感を継続的に煽ってきます。カメラや録画という要素が恐怖の仕組みに直結しており、設定に強い一貫性を感じました。ラストの読者への接続も効果的で、読後に余韻と不気味さが残る良作です。
「視る」好奇心が「撮られる」恐怖へ、そして「システム」への同化へ。現代のSNS社会が持つ『他人の視線を喰らい、自らも晒し続ける』という狂気を、デジタルの怪異として描き切った、ゾッとするほど鮮やかなモダンホラーです。
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