ナルコレプシーのつらさが入口であっても、失った父の気配が静かに差し込んでくる物語として静かに読めました。縁側や柱の傷、庭の風景といった家の記憶が、そのまま主人公を支える場になったその優しさも温かい。大げさな奇跡にせず、ほんの少し前へ進める感触で終えるのも良いです。短いながら、喪失と再生のぬくもりがきちんと残る掌編でした。
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