第38話 勇者は敵だが親友である
ナミと交戦中、どこからか爆発音のようなものが聞こえた。確かあの方面はユイガさんが戦っていた所…。そしてリンがコウさんの後を追い、向かった所。
「あっちが気になるんですか?それなら早く言ってくださいよ。吹き飛ばします。」
ナミが剣を振り下ろしてきたところを俺は弾いた。
「ノーモーションの四象景律(ししょうけいりつ)……。成長しているということですか?それとも隠していたんですか?」
「それはどうかな!四象景律、花(はな)。」
「それ、ノります?四象景律、花。」
ナミは同じく四象景律-花を使おうとする。
「椿(つばき)!」「金木ノ犀(きんもくのせい)。」
キンッ!ガキンッ!と何度も鉄の当たる音がする。流石に経験の差があるせいで押し負けそうになる。
あれ、使うか……。
【東(あずま)がコピーにより手に入れた二つの絶加。一つはリンの魔法使い援助、もう一つが最高位騎士であるバイバイ・バイの絶加、倍。身体能力、筋力などを一時的に二倍にする。】
「オラァ!」
俺は一気に畳み掛ける。そうしてナミは後ずさった。
「ほらまた、そんな力を隠し持って。でもそんくらいないと面白くないですもんね。風の精霊よ我の剣に力を。」
ナミは剣に風を纏う。あれはただの風なんてもんじゃない。当たれば、致命傷になりかねない。
「本当にそれずるいな。」
「それは…僕が比較的恵まれていただけだよ。」
ナミは少し寂しそうな顔をしながらその場で剣を振るう。とてつもない風が吹き、俺は後方に吹き飛ばされてしまう。
「いてて…」
俺は思いっきり吹き飛ばされてしまった。
「ここは……。」
吹き飛ばされた所には美しい花が咲き誇っていた。
「フンッ…!」
「いきなりだな…!」
高速で凸ってきたナミの剣を受け止める。その剣は先程よりも重みが増しているような感じがした。
「こんな綺麗な花畑があるんだな。ここで和みながらティータイムってか?」
俺は軽口を叩く。
「いいえ。どうせ殺すのなら、美しいものを見て死んだほうが貴方もいいかなと思いまして。一応、お世話になったわけですし。」
「あのさ、俺のボケ即スルーすんのやめてくんね……?傷つく……。」
「そうですか。す、すいませんっ……。」
「何笑ってんだよ!!」
くすくすと笑っているナミに指摘する。
「いや、笑ってなんかないですよ。今の会話に笑う要素なんてないですよ。」
「えぇ…普通に嘘じゃん……。」
美しい花と共に友情をみせ、第二ウェーブが始まる。
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