第12話 名前を忘れていた

俺等は師匠のもとに訪れていた。

「師匠…!生きてて良かった…!」

「アズマ様、リン様…お二人もご無事で…何よりです…。」小さな声に耳を澄まして聞いた。そして俺はあの話をついに持ち出した。

「あの…謝らなきゃいけないことがあって…。」

「何ですか…?」師匠は今にも力尽きそうなかすれた声で言ったがその顔は優しさに包まれていた。

「名前を…聞いていなかったというか、忘れたというか、だから名前でも呼べずにいて…。後悔しました。こんな優しい人の名前を覚えられないなんて勇者どころの騒ぎじゃないっ…。本当ごめんなさいっ…!」俺は誠心誠意頭を下げた。すると師匠は俺の方に手を置いた。

「そんなことでしたか。気にしないでください。では…改めて、私は護衛騎士団副団長〈旋風〉シン・ジェクトです。以後お見知りおきよ。」とても穏やかな笑顔で優しい声色でシンさんは自己紹介をしてくれた。

「ありがとうございます…!俺は東です!こちらこそよろしくお願いします。シンさん!」俺は手を差し出しシンさんと握手を交わした。

「アズマ様…。リン様を守ってくださりありがとうございます。貴方は正真正銘、東の勇者様ですよ…!」

「はいっ!」俺は笑顔で応えた。

「良かったです…!本当に…!」リンはずっと泣いていた。



それから二日経ち俺等はシオンさんをパーティーに迎え入れ作戦会議に加えて軽い顔合わせを行っていた。

「皆揃ったな!では知り合いもいるが自己紹介をしようじゃないか!!」

護衛騎士団団長〈絶対要塞〉ワルパフ・カイゴウ

「団長はいらないですよぉ。そんな事より明日に備えてうちの子達のブラッシングを…。」

護衛騎士団第三支部長〈竜乗り(ドラゴンライダー)〉ゴンドラ・イラフ

「イラフ君。東の勇者様に失礼ですよ。あ、私は〈炎士(えんし)〉のホーノ・ローリエです。どうぞよろしく。」

護衛騎士団第四支部長〈炎士〉ホーノ・ローリエ

何なんだこのメンツは…。

「えーっと…。東です。」

東の勇者 東

「皆さんご存知の通り第三王女、スターリン・イーストです。よろしくお願いします。」

第三王女及び宮廷魔法使い スターリン・イースト

「メンツが随分と変わったんだな。シオンだよろしく。」

二十六代目東の勇者 シオン

「まぁ…いいか!話を続けるぞ!ウエストは少数精鋭で魔法使いの最上位職、魔導王まで有していると聞く!油断せずにいこう!とにかく今日は休むといい!解散だっ!」あまり成り立っていない自己紹介と少しの情報提供で前日の作戦会議は終わった。

本当に大丈夫なのだろうか…?



翌日俺等はウエスト前の岩陰などに潜伏していた。

「イーストの外はこんな感じなのか…。」広大だが草も木も生えていない大地が広がっており所々に国がある。なんか変な感じだ。

すると数人がウエストから出てくる。

「来たな…!お前ら!進軍だぁ!」ワルパフさんは剣を掲げ進軍を宣言した。

【これよりイースト対ウエストの戦争が始まる。これは何かを得る戦いなのかあるいは…】


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