第17話 新たな後継者と傲慢
パーティが麓の村に立ち寄った際、一人の少年がアルトの前に立ちはだかった。亡きルカの親友であったテオだ。彼の瞳には、アルトへの殺意に似た憧憬が宿っていた。
「ルカが死んだのは、あいつが弱かったからだ。僕は違う。僕はアルトさんのように、痛みを克服した『真の英雄』になるんだ」
テオはアルトの目の前で、自分の腕に短剣を突き刺した。少年の顔が苦痛に歪む。だが、彼は震える声で「痛くない」と言い張った。アルトはその光景を見て、かつてない不快感を覚えた。それは「心の痛み」に最も近い、胃の奥が焼けるような感覚だった。
「テオ、やめるんだ。君は痛みを感じるべきだ。僕は……ただの欠陥品なんだ」
「黙れ! あなたは選ばれたんだ! 痛みなんていう弱者の感情を捨てたから、最強になれたんだ! 僕もそこへ行く!」
テオはカイルに志願し、荷物持ちという名目で無理やり同行を決めた。カイルは冷酷に笑った。「スペアがいるのは悪くない」。その一言が、これからの惨劇を決定づけた。
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