第20話:運命すら、バグらせる
「終わりだ」
声だけが、響く。
見えない。
読めない。
未来が――ない。
「……クソが」
『詰んだ!?』
『どうすんだこれ』
完全に、初めての状況。
【《確率支配》無効】
【《確率強化》無効】
「……マジかよ」
全部、封じられている。
「当然だろ?」
背後。
――ドンッ!!
衝撃。
「がっ……!」
吹き飛ばされる。
「ユウマ!!」
アカリの叫び。
だが、遠い。
「終わりだって言ってるだろ」
また、見えない一撃。
「……っ!」
受ける。
「ほらな」
そいつが笑う。
「何もできない」
「……」
確かに、その通りだ。
未来が見えない。
なら――
「……どうする」
考える。
この状況で勝つ方法。
「……」
その時。
頭の奥に、あの光景がよぎる。
崩壊した世界。
血に染まった自分。
「……」
あいつは言った。
“全部を手に入れた”と。
「……つまり」
呟く。
「お前は、“未来を決めてる”んだな」
「そうだ」
即答。
「だから、お前は負ける」
「……」
なら。
「その“未来”ごと壊せばいい」
「……は?」
『お?』
『なんか来た』
「お前が決めた運命」
「それ自体が“結果”なら」
「その前を、変える」
「……何言ってんだ」
「簡単だ」
ゆっくり立ち上がる。
「未来が見えないなら」
「未来を作ればいい」
一瞬の間。
【スキル発動:《運命改変(バグ)》】
「……っ!」
初めて使う。
だが――
分かる。
「……こうか」
世界が、歪む。
「なっ……!?」
“もう一人の俺”の顔が、初めて崩れる。
「お前……今、何を――」
「分からないか?」
笑う。
「“確定する前”に、書き換えた」
「……っ!?」
『ええええええ!?』
『逆に使った!?』
「未来がないなら」
一歩。
「今を、全部“当たり”にする」
「……!」
その瞬間。
見えた。
“全部の可能性”。
「……なるほどな」
理解する。
「こういう使い方か」
一気に踏み込む。
「なっ――!?」
今度は、見える。
いや。
「見てるんじゃない」
「作ってる」
一撃。
――ザンッ
「……っ!!」
“もう一人の俺”が後ろに跳ぶ。
初めて、避けた。
「……ありえねぇ」
「ありえるんだよ」
ナイフを構える。
「お前が捨てたもの」
「俺は全部持ってる」
「……」
一瞬、沈黙。
「……そうかよ」
そいつは、小さく笑う。
「なら、見せてみろ」
構える。
「どこまで行けるか」
「……ああ」
一歩。
「最後までな」
次の瞬間。
激突。
今度は――
俺の方が、速い。
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