第7話:報酬がバグってる件と、正式加入
「……終わった、のか?」
巨大なボスが崩れ落ち、ダンジョンに静寂が戻る。
【ボス討伐報酬を受け取ります】
目の前に、見慣れないウィンドウが浮かび上がった。
「……来たな」
『報酬きたああああ』
『ここが本番』
『SSR以上くるぞこれ』
「さすがに期待するよな……」
俺がタップすると、光が弾けた。
【ドロップ一覧】
・超高級魔石(SSR)×3
・スキル書:《加速》
・???(未鑑定)
・特別報酬枠 解放
「……は?」
『は???????』
『3個!?!?!?』
『確率壊れてるwww』
「いやいやいや、多すぎだろ」
普通、ボス報酬は1つでも当たりだ。
それが――3つ。
しかも全部SSR。
「……で、これ何だ?」
俺は最後の“???”をタップする。
【鑑定中――】
一瞬の間。
そして。
【スキル取得】
《確率強化(バグ)》を獲得しました
「……は?」
『バグ増えたwww』
『スキルまで壊れた』
「ちょっと待て」
思わず頭を抱える。
「“確率支配”に“確率強化”って……」
『インフレ開始』
『もう誰も勝てない』
「いやこれ、どうなるんだよ」
その時。
隣で見ていたアカリが、ぽつりと呟く。
「……ありえない」
「またそれか」
「違う」
彼女は首を振る。
「“規格外”なのよ、あなた」
「……褒めてる?」
「ええ、最大級に」
少しだけ、笑う。
その表情は――
さっきより、柔らかかった。
『完全にデレた』
『ヒロイン確定』
「……で」
俺は話を戻す。
「さっきの話だけど」
「ええ」
「組むってやつ」
一瞬、間。
「本気なのか?」
アカリは、まっすぐ俺を見る。
「本気よ」
その目に、迷いはない。
「あなた一人じゃ危険すぎる」
「それは否定できないな」
「それに――」
彼女は少しだけ言葉を選んで、
「……興味があるの」
「何に?」
「あなたに」
コメント欄、爆発。
『きたあああああああ』
『告白!?!?!?』
『距離感バグってて草』
「……それは光栄だな」
「だから」
アカリは、一歩近づく。
「正式に組みましょう、ユウマ」
「……ああ」
俺は、手を差し出す。
「よろしく」
「ええ、よろしく」
その瞬間。
【パーティ結成】
ユウマ
アカリ
「……なんか実感わかねぇな」
「すぐ慣れるわよ」
『公式ヒロイン爆誕』
『最強コンビきた』
視聴者数:120万 → 138万
「……まだ増えるのかよ」
その時。
またひとつ、通知が現れる。
【企業スポンサー申請:15件】
「……は?」
『きたあああああ』
『金の匂いwww』
『人生変わったな』
「急に現実的なの来たな……」
アカリが小さく笑う。
「それが“トップ”よ」
「……なるほどな」
そして、さらに――
【新ダンジョン解放】
【難易度:S】
「……おいおい」
アカリが、少しだけ楽しそうに言う。
「行く?」
俺は笑った。
「当然」
カメラを向ける。
「次、行くぞ」
コメント欄が、再び燃え上がる。
『ついていきます!!!!』
『神配信継続』
『終わらねぇwww』
こうして――
俺の配信は、“日常”になった。
ただし、その日常は。
世界の常識を壊し続ける日常だった。
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