第54話『星空の宇宙船譚⑦』ー急な探検隊結成!ー
宇宙空間は暗い、その暗さが地球の青さを際立たせている。
そこにはテスト運航している宇宙船の姿があった。
宇宙船には、操縦士にモーヴァ。その隣にコルヴォ博士。
後ろの座席に財団職員が二名、記録・補助として乗船している。
博士は聞く。「運航に問題はないようだな?」
「問題ないです」モーヴァが答えた。
宇宙船の計測器にも異常は出てない。
「このまま運航を続け、異常が出なければ帰還する」
博士の言葉に三人は頷き、作業を続けた。
24時間の宇宙空間でのテストを無事終えた博士たちは地上に降りた。
財団職員、責任者が出向かい成功を称えた。
財団職員は責任者の指示のもと、引き続き宇宙船の経過観測及びメンテナンスに入った。
博士とモーヴァは休息をとる為、施設の自室に戻った。
――
責任者「代表、宇宙船の宇宙空間でのテストに問題なく、データも取れました」
代表「では、そのデータを並行して進めているプロジェクトに送ってくれ」
責任者「わかりました。こちらが終わり次第、合流します」
代表「頼んだぞ!」
――
疲れがたまっていた博士は夢を見た。
本人も夢だと自覚する夢。
モーヴァとユーマ、そして博士が宇宙船に乗っている。
見たこともない惑星を目指して――。
夢は覚めたが、博士は目を閉じたままでいた。
明日は…もう今日か。宇宙船の塗装に入るのでオフになる。
ゆっくり過ごそうと…博士は再び眠りについた。
モーヴァは部屋でスケッチブックを見ながら宇宙船のカラーを見直し、
何枚も色違いの宇宙船を描いている。
カラーリングを決めるのはモーヴァの仕事。
財団職員との打ち合わせもある。
「わたし、決めた色が宇宙船に塗られる。それで宇宙に行ったら、カッコイイにちがいない」
モーヴァはワクワクドキドキしてきた。
予定された時間10分前に、モーヴァはミーティングの場所に着いた。
まだ誰もいない。
モーヴァはスケッチブックを開き、準備を始めた。
約束の時間が過ぎても誰も来ない。モーヴァはもう10分待った…。
それでも誰も来ない。
「わたし、時間も場所も正しい…みんな間違った?」
モーヴァは宇宙船のある格納庫に向かった。
格納庫の扉を開き中に入ると、宇宙船の周りにみんないる。
近づいて行くと、みんなは宇宙船を囲んでいるのではなく、ユーマを囲んでお話してる!
「ユーマさん!どうしてここに!」
「あっ!モーヴァ発見!元気ー?宇宙船見に来た」
「わたし、わかる。宇宙船、カッコイイ!みんなに説明受けてるけど…チンプンカンプン?」
モーヴァはそこにユーマがいる事にチンプンカンプンしてる。
みんなは、モーヴァが二人いる事にチンプンカンプンだ。
そこにコルヴォ博士、責任者が連れ立って来て、この光景に驚いている。
博士はユーマが来ている事は置いといて、モーヴァとユーマの関係性を責任者に軽く説明。
責任者はそれをみんなに伝え、一時作業をストップして宇宙船から離れた。
博士はユーマの行動に驚いているが、観察対象の行動を記録出来る事に興奮している。顔には出さないが。
モーヴァはユーマに宇宙船のデザインを自分でした事を自慢げに話してる。
モーヴァも自我が芽生えている事を博士は感じてる。
ユーマは、宣言するように
「わたし、行く!惑星に。わたし、探検隊。わたし、おいてく事、不可能!」
モーヴァが話したらしい。博士は渋い顔をしたが、ユーマの頑固は理解している…。
ユーマは探検隊の歌を口遊み踊っている。
モーヴァも真似して踊っている。
博士は、責任者に宇宙に行く事を告げにその場を後にした。
――
責任者は自分では判断出来ないと言っている。
代表に報告して指示が出るまで、宇宙船には近づけないだろう――と博士は推測している。
博士は動いた。
まだ誰もいない宇宙船に、モーヴァに操縦させユーマを乗せて…。
宇宙船は動き始め、博士は格納庫を開く。
すかさず博士を乗せ飛び立った!
責任者も呆然と見送った…。
「探検の始まりだー」
探検隊の歌が聞こえる。 〈完〉
UMAワールド短編集|ちょっとズレた日常観測ログ どらねこ @dora2025
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