第51話『星空の宇宙船譚④』ー流線型の機体は、まるで宙を翔る彫刻のようだー
ジョージから託されたデザインノートをもとに、モーヴァがまとめた案を取り入れ、宇宙船の設計図が完成した。
設計という一番の山場を越えた二人にとって、その後の制作は順調だった。
財団が用意した格納庫では、宇宙船の建造が急ピッチで進められている。
人手や下請けの手配はすべて財団が取り仕切り、博士は指示を出し、モーヴァは紅茶を運ぶ。
肝心の宇宙船も、ほぼ完成していた。
流線型の機体は、まるで宙を翔る彫刻のようだ。
純白のボディには燃えるような赤いラインが走り、未来的でありながら、どこかヒーローが乗る機体を思わせる。
複数の推力偏向ノズルを備え、惑星間を自在に飛び回るための力を秘めたその姿は、美しさと力強さを兼ね備えていた。
モーヴァは、きっとユーマもこのデザインを気に入るだろうと思った。
完成まで、そこからさらに一週間。
試験運転も兼ねてモーヴァが操縦し、宇宙船は研究所のガレージへ運び込まれた。
一人乗りの宇宙船は、博士の天才的な設計のおかげで、スポーツカーほどの大きさに収まっていた。
博士はモーヴァの操縦を心配していない。
自らが生み出したバイオニクスは、一度読んだ説明書を忘れない。
その操縦技術は完璧だ。
博士は財団の車に乗り、帰路についた。
完成した宇宙船を眺めながら、モーヴァはつぶやく。
「ジョージ、ありがとうって言わなきゃ」
「ヒーローが乗る飛行機みたいで、カッコイイ」
時間が経つのも忘れ、モーヴァは宇宙船を眺めていた。
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翌朝。
研究所のガレージ前には、朝日を浴びて輝く宇宙船があった。
博士とモーヴァは、試運転や最終チェックに数日をかける予定だ。
地球の周回軌道を飛び、各種データを集めるつもりでいる。
まだやるべきことは山積みで、博士の士気も高かった。
「来たよ~」
ユーマが現れた。
その声に博士は驚く。
操縦席で確認作業をしていたモーヴァは、まだ気づいていない。
目の前の機体が宇宙船だと気づいたユーマは、博士へ駆け寄る。
ユーマが何かを言う前に、博士は先に口を開いた。
「宇宙船はまだ完成してない! 試運転の最中だ!」
「でも、わたし来たよ」
コルヴォ博士の顔が赤くなる。
モーヴァは操縦席から顔を上げ、静かに二人を見つめていた。
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