第50話『星空の宇宙船譚③』ージョージのサムズアップー
モーヴァはジョージから借りたヒーロー大百科をめくっていた。
あれから宇宙船そっちのけで、インターネット検索に夢中になり、ヒーローの知識ばかり詳しくなっていた。
街へ出れば、図書館のジョージとも顔を合わせるようになっている。
一週間と数日が過ぎ、博士は取りつかれたように図面を引き続け、宇宙船の設計図も完成に近づいていた。
「モーヴァ! 宇宙船のデザインは出来ているか?
設計図はいよいよ佳境だ。デザインを組み込めば完成する!」
モーヴァははっとして顔を上げた。
机の隅に置いていた赤いリンゴは、今回は転がらなかった。
「博士……わたし、買い物の時間。街に行かないと」
博士は渋い顔をしたが、黙って頷いた。
モーヴァは急いで街へ向かい、その足で図書館へ直行した。
「ジョージ、大変! わたし、宇宙船のデザイン忘れてた……!」
モーヴァは両手をばたばたさせながら事情を話した。
ジョージも少し驚いた顔を見せたが、すぐに落ち着いた声で言った。
「モーヴァ、ゆっくりでいいから説明して」
そう言って椅子に座らせ、話を最後まで聞いた。
ジョージは控室へ戻り、カバンを持ってくる。
中から一冊のノートを取り出し、モーヴァに差し出した。
そこには、彼が自分で考えて描いた飛行機のスケッチが並んでいた。
「これ、よく描けてるでしょ? 僕がデザインしたんだ」
モーヴァの目が輝く。
「わたし、好き。カッコイイ」
ジョージは少し照れくさそうに笑い、ノートをモーヴァに渡した。
「これなら博士も喜んでくれると思う。そうだといいな。」
彼は親指を立て、にっこり笑ってモーヴァを見送った。
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