第49話『星空の宇宙船譚②』ー宇宙船のデザインを探してー

ユーマが現れてから三日。


コルヴォ博士は宇宙船の設計に没頭していた。

モーヴァは博士から宇宙船のデザインを任されている。


……もっとも博士は「見た目は任せる」とだけ言い残し、設計に戻ってしまった。


モーヴァは博士のお下がりのノートパソコンで「宇宙船のデザイン」を検索していた。


出てくるのはスペースシャトルやロケット型の既存の宇宙船ばかり。


どれを見ても、ユーマの欲しい宇宙船ではないと感じた。


「ユーマ、言った。モーヴァもほしいと……」


どれを見ても、心は動かなかった。


昼下がりになったころ。


博士は用意したサンドイッチをかじっただけで、紅茶もすっかり冷めている。


モーヴァは夕食の買い物のため、街へ降りる準備を始めた。


研究所から街までは山道を三十分。


スクーターで森を抜ける。


このスクーターは研究所のガレージに放置されていたものを、モーヴァが手入れして使えるようにした。


街に着いたモーヴァは、いつもの店をいくつか回って食材を揃えた。


街の人々はみな親切に接してくれる。


最後の店で、モーヴァは思い切って宇宙船のデザインについて話してみた。


店主は笑って答えた。


「それなら図書館に行ってみるといい」


モーヴァは図書館へ向かった。


そこはこじんまりとした建物で、人影も少ない。


中に入ると本棚がずらりと並び、博士の書斎を思い出させた。


どこを探せばよいか分からず立ち尽くしていると、係の人が声をかけてきた。


「どういった本を探しているの?」


「わたし、宇宙船のデザインしたいです」


係の人は頷き、児童書コーナーへ案内した。


そこにはイラスト付きのロケットの本が並んでいた。


「好きなのを見ていいよ」


モーヴァは首を振る。


「わたし、カッコいい宇宙船のデザインしたい」


その時、係の人の眼鏡が光ったように見えた。


「僕はジョージ。君、モーヴァだよね?」


モーヴァは頷く。


「これは僕の本だけど、君に貸すよ」


一冊の本を差し出した。


モーヴァはページをめくる。


「これ……好き! ありがとう」


興奮したまま図書館を後にした。


――


研究所に戻ったモーヴァは、机に本を置いて開いた。


そこにあったのは、日本のヒーローが集合した大百科だった。


その頃、博士は黒板に数式やグラフを書き込み、モニターには各国の論文を並べていた。


原理は理解している。だが、核となるものが浮かばない。


一週間が過ぎても博士は悩み続けていた。


夜更けになっても、研究所の灯りは消えない。


――その時。


研究所のモニターが突如乱れ、ある図面が映し出された。


メッセージとともに。


「ワタシヲツレダシテ――」

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