第46話『観光案内』 第三話 気まぐれな星
緑色の惑星が視界いっぱいに広がった。
惑星K-0195――通称「クーギャ」。
ピップは操縦席で記録用端末に一言を書き込む。
「到着。相変わらず、風と重力が気まぐれな星だ。」
操縦席のモニターには、複雑に計算された着陸コースが映し出されていた。
宇宙船は揺れ、なかなか安定しない。
「大ちゃん、操縦しないの?」
ユーマが不安そうに聞いた。
「ムー、大丈夫だよ。この星はいつもこうなんだ。だからコンピューターに任せてる。」
ユーマはシートベルトを握りしめながら呟く。
「古い宇宙船、大丈夫かな……。わたし、不安。探検隊なのに……」
やがてタイミングを見計らい、宇宙船は無事に着陸した。
空港といっても規模は大きくない。
観光用に作られた小さな浮遊島の一つだった。
クーギャには大陸も海もない。
無数の島々が空に浮かび、緑色の空気の中で遠い蜃気楼のように揺れている。
手続きを済ませると、ピップとユーマは観光デッキへ出た。
ユーマは歩きながら笑顔を見せる。
「大ちゃん、歩くとふわふわする。飛んでるみたい!」
「ムー、ジャンプしてみて!」
ピップに促され、ユーマは力いっぱい跳んだ。
ユーマの体はロケットのように宙へと消えていった――が、ピップは慌てない。
しばらくすると、風に乗って戻ってくる。
「わたし、ビュンでビュ~ンてして、ぐるぐる回って戻ってきた! 不思議~!」
そう言うと、さらに助走をつけて再びジャンプした。
「ユーマ! 行きまーす!」
ピップも続いて飛ぶ。
他の観光客たちも同じようにジャンプして遊んでいた。
ここでは風の向きが同時に三方向から吹く。
その現象はいまだ説明されていない。
ピップは風に流されながら記録をつける。
「緑の空と浮遊する島々。観光地としては賑やかだが、風の異常性は依然として解明されず。」
隣ではユーマが風に流されながら叫んだ。
「ハンバーグ屋さん発見! 探検隊のごはんだー!」
ピップは苦笑する。
そして再び記録用端末を手に取った。
この星の謎も、ユーマのお腹には敵わないらしい。
おわり
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