第45話『観光案内』 第二話 ハンバーグより先に
ピップはごはんを食べるため、近くの宇宙ステーションに寄った。
そこは多くの宇宙船が停泊する大きなステーションだった。
宇宙船を停めると、ユーマは勢いよく飛び出した。
「わたし、ハンバーグ食べたい!」
ハンバーグコールに小躍りまで付いている。
ピップは人目を気にして、少し距離をとった。
そんなユーマが突然立ち止まる。
「あっ!」
何かを見つけたらしく、そのまま駆け出していった。
その先には――数多くの店が並ぶ一角から出てきた、ギラン隊長の姿があった。
ユーマは隊長を取り囲んで騒ぎ立てる。
「隊長~! わたし、びっくり! 隊長も探検隊~?」
隊長にぴったりくっつくユーマ。
驚いているのか冷静なのか、その表情からは読み取れなかった。
ピップも近づき、挨拶をした。
「ギラン隊長、お久しぶりです。任務の途中ですか?」
隊長は、話の通じる相手を前に少し安堵したように見えた。
「ピップ、久しぶりだな。」
落ち着いた声で答える。
「任務も終わり、帰るところだ。」
ピップは隊長の服装に目をとめた。
「赤い肩当がない……服も違うし、どうしたんですか?」
「まあ、いろいろあってな……」
「ほんとだ~! 服ちがう~! 大きな目がついてる~!」
ユーマは隊長の服を指差しながら、その周りをぐるぐる回る。
「わたし、隊長の服見つけて着てるに~! MA-1! MA-1!」
そのとき、停泊区画の方から大声が響いた。
「ギラン隊長! 行きますよー! 早く来てください! 置いてきますよー!」
声の主はボーだった。
「……そういうことだ。ではな。」
ギラン隊長は短く告げる。
その視線の先には、小型調査艇〈アステロープ〉が停泊していた。
ユーマは大きく手を振る。
「隊長~! またねー!」
ギラン隊長も軽く手を上げ、その場を後にした。
上空へ向かう〈アステロープ〉を見送りながら、ピップは小さく呟く。
「あれは、外縁宙域監理局のロゴ……それに小型調査艇〈アステロープ〉か。」
何かを考えるように眉をひそめる。
そしてポケットからボイスレコーダーを取り出した。
「記録開始。ギラン=カーン、所属変更を確認――」
その横で、ユーマは相変わらず歌っていた。
「ハンバーグ~! ハンバーグ~♪」
ピップは苦笑する。
まずは腹ごしらえが先らしい。
つづく
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