第28話『白りん、ハンバーグ三杯目』
ユーマは、ハンバーグを食べに来ている。
街のこじんまりとした洋食屋さん。ユーマはここの常連だ。
マスターの注文に「いつもの」と答える。
出てくるのは、ハンバーグ――厳密に言えばハンバーグ定食。
ごはんとお味噌汁、サラダもついてくる。
週三で通うくらいの常連だ。
お店の人は、みんなユーマを知っている。
アルバイトくんには、白いちんちくりん。略して、白りん――陰でそう呼ばれている。
でも、かわいいから気にしない。むしろ呼んでほしいくらいだ。
マスターは料理に情熱をかけている。
どのメニューも美味しい。
ユーマはハンバーグ一筋だが、ハンバーグにも色々ある。
チーズ、和風タレ。色々あるけど、ユーマはシンプルイズベスト。
デミグラスソースの掛かったハンバーグ。譲れないし、飽きない。
でも最近、どうしても食べたくなったのは、ハンバーグカレー。
マスターに頼んで作ってもらった。
絶品だった……。
ユーマはカレーも好きだ。よく食べる。
インド風も欧風も、チェーン店も行く。
カレーも食べたくなった。チーズナンも食べたい……。
タイ風カレーはまだ食べたことがない。
いつか食べてみたい。辛いらしい――情報はある。
この世は情報社会、知らないことだらけ。
考えていると、ハンバーグの味がわからなくなる。悩ましい……。
「マスター! おかわり。ハンバーグ定食」
「あいよ。ユーマさんはいつも美味しそうに食べるよね」
「そう? わたし、食べるの真剣」
「私も、作るの真剣」
二人して笑いあう。
陰でアルバイトくんが、小さく漏らす。
「白りん、おかわり三回目……」
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