第22話『ユーマ、スタイルをキメる!』

ユーマは、BMXに乗って街を散策していた。

いつもの商店街が見えたので、颯爽と通り抜ける。


「おっ、今日はカッコイイ自転車だね!」

八百屋のおやじが声をかける。


「わたし、いつもカッコイイ」

ユーマが決め顔で返す。


おやじは笑いながら言った。

「そういや今日は、頭に乗せてる青いリンゴがないな」


ユーマの頭の上に、いつもの青いリンゴはなかった。

「赤いリンゴ、美味しいのあるよ。持ってく?」


ユーマは、やれやれと顔をしかめて答える。

「BMXで走っている。わたし、頭の上に乗せない……コロコロ落ちる」


そして改めて言い切った。

「わたし、乗せませんので!」


おやじも苦笑してうなずく。

「そりゃそうだ」


ユーマはニヤリと笑った。

「だよね!だから、落とさないようにキメる。わたし、スタイルを!」


ユーマは歌いながら、街を駆け抜けていく。


「コロコロさせない、メイクはイケイケ。

コンボきめて、クリーンきめて、ナイスラン!

コロコロダメダメ、メイクイケイケ!」


そのまま跳ぶ——ダブルウィップ!

さらに、トリプルウィップ!


空中でフレームが軽やかに回る。

そして、着地。


商店街の人々は目を丸くする。

八百屋のおやじは思わず拍手した。


やがて、その拍手は波のように広がっていく。


通り全体から響く拍手の音。

ユーマが残した風が、商店街を爽やかに吹き抜けていった。

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