第10話『旅の途中』

ユーマとピップは並んで歩いていた。


どこからか、楽しげな音楽が流れてくる。

ピップは黙って端末を構え、その音色を記録する準備をする。


その瞬間、ユーマは駆け出した。

音のする方へ――。


そこには、不思議な音色を奏でる楽器奏者がいた。


「ムー、楽しいね。」


追いついたピップが言う。


ユーマは夢中で、楽器と奏者を交互に見ている。

ピップは小さくため息をつきながら、記録を録った。


はしゃぐユーマを横目に、ベンチへ腰掛ける。

ただ耳を澄ませ、音色を聞いていた。


しばらくして顔を上げると、ユーマが立っていた。


「ムー、楽しんだ?」


するとユーマは、嬉しそうに言った。


「大ちゃん!見て見て!」


頭の上には、奏者から貸してもらった楽器がのっている。


「貸してもらったんだ~」


満足げに笑う。


ピップはヤレヤレと息をつき、それでも優しく言った。


「ムー、似合ってるよ。」


「まあね!」


ユーマは得意げに笑った。


ピップはその姿を見ながら、端末に吹き込む。


「ユーマ、相変わらず意味不明な行動。

 しかし――一貫性あり。」

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