第6話「水たまりは、秘密の入り口」

ピップは、旅の途中で小さな水たまりを見つけた。

赤い砂の上に、ぽつんと鏡のように光っている。


彼は無表情のまま、かがみ込む。

「これは……別の宇宙へ通じるゲートかもしれない。」


近くで遊んでいた子どもが、その言葉に目を丸くした。

そして隣にしゃがみこみ、同じように水面を覗き込む。


ふたりはしばらく無言で、その“秘密の入口”を見つめ続けた。


ポツリと滴が落ち、波紋が広がる。

その一瞬、そこは本当に未知への入口に思えてくる。


子どもがふっと笑った。

ピップも少しだけ口元をゆるめる。


「――誰にも話してない。というか、話すつもりない」


小さくそう言って、ピップは立ち上がった。


そして再び、探検を続けるために歩き出す。

秘密の入口は、そこにあるままだった。

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