【歌詞.ルミナリア『硝子の天国』】
千紗の部屋の学習机の上に。
彼女が推す、女性音楽ユニットの、ミリオンセラーを記録したCDが置いてある。
◇
『硝子の天国』
白い羽根が 校庭に舞う
誰もが笑う 午後の光
揃えた声は 澄み渡るのに
揃えた心は どこにあるの
硝子のように きらめく世界
割れないふりを しているだけ
見えない傷を 抱いたままで
わたしたちは 歌っている
ああ
あなたは今 どこに立っているの
輪の中? それとも
すぐそばで ひとり
天国みたいな この教室で
誰かが そっと息を止めた
気づかないまま 拍手をする
それでも歌は 止まらない
重なる旋律 重ならぬ影
白い制服 染めない夕焼け
優しさひとつ 渡せたなら
未来は 変わっていたの
ああ
わたしはまだ 知らないふりをする
割れた硝子の
破片の 痛みを
天国みたいな この場所で
選ばれるのは 光だけ
消えた声には 触れないまま
わたしたちは 歌い続ける
それでも
それでも
ほんとうは
知っている
硝子はいつか
砕け散ることを
(注:東京都に存在していた高校・常盤聖女学院二年一組が、世田谷区高校生合唱コンクールで歌うはずだった楽曲である)
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