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次の日も雨曇りだった。学校の廊下の窓から差し込む光が、雨に濡れた床を淡く照らしていた。私は机に肘をつき、ぼんやりと外を見ている。教室には誰もいないわけではないのに、時間だけが過ぎていくような気持ちがした。
遠くで紙をめくる音、靴のかかとの小さな反響、壁に貼られたポスターの色がわずかに揺れて見える。音も光もすべて、私の心の中で別のリズムを刻んでいるみたいだった。
ふと、傘立てに立てかけられた二本の濡れた傘が目に入る。色や形の違いよりも、並んでいること自体が、何か意味を持つように感じられた。隣の傘が少し傾いていて、それが妙に私の胸をくすぐる。誰かと一緒にいることの静かな温度。それは笑いや声とは違う、言葉にならない安心だった。
窓の外、雨粒がガラスを伝って落ちていく。ひとつひとつの水滴が、まるで小さな秘密を運んでいるみたいに見えた。私は手を伸ばし、ガラスに触れてみる。冷たく湿った感触が、指先に伝わる。
そして、遠くで笑い声がまた聞こえた。今度はそれが自分に向けられたのか、誰か別の場所からなのかは、もうどうでもよかった。ただ、その声が存在の隙間を埋めるように、教室の空気に溶け込んでいくだけだった。
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