杉沢村、本当に懐かしい名前です。
かつて、オカルト界隈で囁かれた謎の村。「因習村」なんて言葉が今の時代では割と浸透してきている感じだけれど、映画の「犬鳴村」なんかが流行する十数年以上前には、オカルト番組なんかでも取り上げられるようになっていた代物でした。
……でも、詳細は一切わからない。
本作はモキュメンタリーという形式で、その杉沢村とはどんなものだったのかをアプローチしていく点が特徴的です。
そして何よりもの特徴は、本編の作者である鋏池穏美さんが、「自分自身が因習村の出身」という圧倒的な経歴を持つこと。
骨の髄まで因習村。血の一滴一滴まで因習村。そんな因習村にどっぷりな作者が、あの正体不明の因習村に挑むという。
自分自身の「因習村で暮らした経験」を参考に、正体不明の杉沢村伝説を紐解いていく。
こんなの面白いに決まっているだろう! とクオリティ保証付きです。
……ただし、「安全」は保証されないかもしれません。この先にあるのは、紛れもなく「呪われた村」に関する記録。くれぐれも、その事実だけはお忘れなきよう……。
本作は杉沢村という地図に載っていない村についての資料をまとめたホラー作品です。
青森県の山中にその村はあると言われていて、軍の実験場だったとか、足を踏み入れると呪われるとか、そういう怖い噂があるところみたいです。
あるまとめブログのレスでは、最寄りの町まで車で1時間半。自販機もコンビニもない、杉沢村はそんなド田舎であると語られている。
また、その集落にある山には壊れた祠とか、ぼろぼろの注連縄とか首なしの地蔵とかもあるみたいで、そのレスをした人物は怖い話が好きな人だったからその山に行くと、そこで変な女を見かける。
その女はぼさぼさの長髪で、ぼろ布をまとっていて、手には鎌を持っていて、足は裸足だった。
「うしゅろがぁ……」
「うしゅろにでもいるんがぁ」
などと彼女は言っている。
後日そのレスをした人が「うしゅろ」って言葉を調べると、それは北海道や東北の古い言葉で「窪地」って意味らしい……
……のだけど、本当にそれだけなのだろうか?
もっと怖い意味がありそうな気がしてならない。
そもそもあの鎌を持った女性は何者なのか……
また、その後で、東京から岩手の高校に転校して、すぐに両親と共に行方不明になった大塚 湊という生徒のことが語られるのだけど、杉沢村となにか関係があるのだろうか……。
多くの気になる謎が序盤でたくさん出てきて、気になって先をぐいぐい読んでしまう、そんな作品です。是非ご一読を。