第2話 冷凍食品

 母が来た。そして、大きなレジ袋をテーブルの上に置いた。


 中には冷凍食品やレトルト食品、カップラーメンやなんとかの素みたいやつがパンパンに入っていた。


 実家では、こういうものやお惣菜をよく食べていた。


 元々そんなに料理好きじゃないのに加えて、42歳で夫に先立たれ、途中からフルで働かざるを得なくなっから、そうなるだろうけど。


 実家で食べていたものを、子どもが大人になっても好きだと思っているという、親がよくする勘違い。


 べつに好きなわけじゃなく、出されてたから食べてただけだし。


 この時は結婚して間もなかったから、栄養を考えた手作りの物を食卓に並べたかったから、だった。


 そして、その後、母が放った言葉に私はノックアウトされる。


「お金は、ちょうだい」


 な、な、な、なあんでええ゙え゙ぇぇぇぇぇ!





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