もし選択肢が違ってたら――

主人公の昴には花恵ちゃんという彼女がいます。
しかし、清い交際。というのも、花恵ちゃんは押しかけ女房のような経緯で付き合うことになったから。
そこで街でばったり会った同じ大学、違う学部の青川さんと出会って、なぜか昴の部屋に。
そこから物語がはじまります。

青川さんとの溺れるような情事。けれども花恵とのこともきっぱり切ることができない。どっちつかずな昴の運命は、思いがけない出来事で、大きく変わって行きます。
もしもあの時、どちらかを選んでいたらどうなっていたんだろうと思ってしまいました。
優柔不断で優しいクズという言葉がぴったり合っています……

昴の花恵ちゃんに対する容姿の表現も酷かったけど、花恵ちゃんの番外編を見ると、性格はとても可愛い恋する女の子で、そんな面でも切るという選択肢はなかったのかなと思います。

昴にも感情移入してしまって、彼がどちらかをえらばないことに対して、嫌悪感を持つこともありませんでした。
青川さんの心情がみてみたくありました。

筆力がとても高く、一気に読まされました。とても素敵な物語をありがとうございました!