第7話

ぼくは右手で吊り革を握りしめ、左手では彼女のお尻をなで倒しながら――

(勇気というより完全に無謀やけど)ついに声を上げた。


「刑事さん! いくらなんでもそれは強引すぎませんか?」


車両全体がピタリと静まる。


若い女性は顔を真っ赤にし、声を震わせた。

「……ちょっ、あんた!今なにしてんねん!?💢」


学生は「ひぇぇぇ……!」と小さく声を漏らす。

サラリーマンは冷や汗をダラダラ流し、老夫婦は小声でつぶやく。

「最近の若いモンは……」


刑事は鋭い目をこちらに向け、ゆっくりと言った。

「……なるほど。君も怪しいな」


ぼく(茂雄)は心臓が飛び出しそうになった。

――いやいや! この状況で疑われるのは、もっともやけども!!


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